サンゴダイブ、ハワイ島沖その2
もしも、この世界にサンゴがいなければ、陸上に生物はいなかったかもしれない。最近、僕はそういうことを子供や大人達に話をすることがあります。いくつかの大人たち、専門家や研究者は、何を大げさな、この人サンゴが好きすぎておかしくなったのかも、と眉をひそめるかもしれません。
でも、広大な世界の海のいたるところ、砂漠地帯の沿岸から熱帯の孤島に至るまで、サンゴが造り出すサンゴ礁という生物多様性の基盤(サンゴの家)を確認するとき、僕はそう思ったりするのです。そして、それは、ハワイ島沖の水深1キロの世界に、噴出してからそう時間の経ってない火山岩の上にポツリポツリと育ち始めるサンゴを認めた時にもやはり思ったことでした。マグマという生物にとっての死の世界から様々な生き物に溢れる生の世界への変換点。仲の悪いハワイの火の神さまと海の神さまの間には、サンゴ(ハワイ語でコア)という生物の神様がいるのかもしれないと思いました。
渡邊