オンラインセミナー 7/3(金)魚の形からわかること 2020年9月3日2021年2月1日kikaireefs 7/3にオンラインセミナー「魚の形からわかること」が開催されました! そのセミナー後に受講者のみなさまから寄せられた質問に、講師の東京大学大気海洋研究所の脇谷量子郎博士に答えていただきました!興味深い質問と答えが盛りだくさんですので、ぜひご覧ください。 Q.深海に住む珍しいウナギを教えてください。 A. 深海もしくは外洋に棲むウナギ目(ウナギの仲間)はフウセンウナギ科、フクロウナギ科、シギウナギ科、タンガクウナギ科などなど実は数多くのグループと種がおりますが、どれも食用に利用されないので、一般的に見かける機会はほぼない魚ばかりです。面白いことに、我々に馴染み深い蒲焼のウナギは、沿岸に棲んでいるアナゴ類よりも、これらの外洋に棲む「ウナギらしくないウナギ目の魚」の方が血筋としては近いことが近年わかりました。 Q. アカムツの口の中に大きな虫がいるのはなぜですか。 A.アカムツの口の中にいたりするのは、ダンゴムシやフナムシと同じ等脚類に分類されるウオノエ科の寄生動物だと思われます。これは魚にとっては体液を吸われるだけの迷惑な存在と考えられますが、大抵は魚がそれで弱り切ってしまうこともないようです。口の中にあんなに大きな寄生虫がいて、気にならないのか、私も気になります‥笑。ただ、魚には口から寄生虫を摘み出す手がないので、我慢しているのかもしれません。 Q. 住む環境に応じて、魚の口の位置が異なっているのはなぜですか。 A. 少しでも他の個体より餌を食べるのが上手い魚は、結果的により多くの子孫を残す確率が増えます。そうすると、その親の持っていた口の特徴が子孫でより広まる、という一連の流れが何世代も積み重なった結果、現在の様々な形があるという風に考えられているようです。 Q.ウナギはどのように陸上の生物を捕食するのですか。 A. 私も、どの様に陸生動物を捕食しているのか興味がありまして、今まさにその研究をしております。またいずれ、その辺の話もお話できるといいなと思います。 Q. うなぎのどのような所に一番魅力を感じますか。 A. 野生のウナギの「魚っぽくない」偉そうな顔が一番魅力を感じます。また、何年も、時として数十年も、川の中で群れずに単独で生きる生態も「川の主」的な独特の存在感を感じて魅力です。