2021年7月1日(木)午後10時ごろ、喜界島サンゴ礁科学研究所の研究員が喜界島の東部、花良治集落の海岸で、枝状のサンゴ「スギノキミドリイシ」の一斉産卵を確認しました。
サンゴの産卵は春から初夏の満月の前後に比較的高い確率で見られる命の営みです。2020年の 6月12日にも同じポイントでサンゴの一斉産卵を確認しており、サンゴの産卵が確認された日の月齢は両年とも20.7と同じでした。
海の中は一面のスギノキミドリイシのバンドルが星空のように広がり、産卵後の波打ち際はサンゴの匂いがただよい、ビーチに打ち寄せる波はサンゴの卵で淡いピンク色に染まるほどでした。2020年の 6月12日にも同じポイントでサンゴの一斉産卵を確認しています。
多くのサンゴは年に1度だけ産卵を行い、同じ種類の多くの群体が同調して産卵することによって、多量の子孫を残す繁殖戦略を取っています。
喜界島の方々からは、昔から海で前が見えないほどのサンゴ産卵があったとお話を伺ったことがありましたが、これまで産卵の記録としてデータは残されていませんでした。地道な観察と記録を残していくことが、喜界島のサンゴ礁の形成や将来に豊かなサンゴ礁を残すのに大切なことを理解する上で大切です。 弊所では、サンゴ礁研究・保全のフィールドに拠点がある強みを生かしたモニタリングや研究活動をこれからも続けていきます。