日本サンゴ礁学会第23回大会 大会参加報告

20201121日から1123日まで日本サンゴ礁学会第23回大会が開催されました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、初のオンライン開催でした。

○ 口頭発表

ZOOMで行われた口頭発表では、渡邊理事長・山崎所長に加え、北海道大学渡邊研究室の博士課程1名・修士課程1名がそれぞれ最新の研究成果について発表しました。

本大会ではKIKAI Collegeのカレッジ生2名もこれまで行ってきた研究の成果を口頭発表しました。研究内容に自信をもって発表し、研究者の方々からの質問にも自分なりの意見をしっかりと応える姿は一段と輝いて見えました。常に挑戦・成長し続ける2人からこれからも目が離せません!

☆ 津田和忠くん(カレッジ生・喜界高校3年生)

「今回の学会は僕にとって初めての口頭発表でした。昨年は札幌でポスター発表を行ったのですが、それとは異なる難しさを感じました。一流の研究者の方々に囲まれてとても緊張しましたが、これから先自分も立派な研究者になりたいと改めて考えることができる良い経験でした」

☆ 日吉慎太郎くん(カレッジ生・喜界高校3年生)

「喜界島での研究の集大成として、今回は初の口頭発表でした。高校生活最後の発表がオンラインになり、ホッとした反面とても悲しかったです。しかし、研究には終わりがなく、これからも研究を続けたいと再確認できた発表でした。たくさんの先生方から質問やコメントをいただけたことをありがたく思います。

体験に勝る学問はない。喜界島でサンゴ研究に挑戦しながら高校生活を送れたのは、僕の人生に大きな影響を与えました。サンゴ礁が創る世界は素晴らしく、これからも関わっていきたいです。」

○ ポスター発表

ポスターセッションではサンゴ研でも研究を行っている北海道大学渡邊研究室の学生3名と九州大山崎研究室の学生1名が発表しました。喜界島で行われている最新の研究成果も発表され、喜界島がサンゴ礁研究の聖地であることを再認識し、今後もさらに研究活動が発展していくことに期待が高まりました。

小・中・高校生によるサンゴ礁研究ポスター発表にてサンゴ塾生5名が「いきものがつくる石」というタイトルで発表しました。今年夏に喜界島にて行われた『KIKAI Collegeフィールドワーク』で分析した結果を、その後のオンライン授業で考察・議論してポスターにまとめました。今回の発表では、全員で協力して一つの発表を行い、聴衆からの質問にはフィールドワークでの経験や感じたことをもとに自分達の意見を説明することができました。ここでもまた次世代のリーダーが成長していることを感じられました。

KIKAI Collegeでは、喜界島・サンゴ礁を舞台に一緒に研究する仲間を募集しています。

詳しくはウェブサイト(https://college.kikaireefs.org)をご覧ください!

○ 自由集会「喜界島サンゴロジー」

サンゴ礁という研究分野の多様性が高いフィールドを有する喜界島にあるサンゴ研は“サンゴロジーを進める拠点となっています。この自由集会は、奄美群島・喜界島を舞台にさらに“サンゴロジーを発展させるための議論の場として、サンゴ研の渡邊理事長・山崎所長・駒越先生がオーガナイザーとなって開催されました。

 

渡邊理事長から重点プロジェクトである「MIRAIプロジェクト」について紹介があった後、北海道大学 西村裕一先生に「サンゴ礁海岸と地震・津波」、鹿児島大学 高宮広土先生に「奄美・沖縄諸島における『島嶼環境』とヒト(Homo sapiens) 」というテーマでそれぞれご講演いただきました。

最後は、質疑応答を中心に『災害や環境にサンゴ礁の上に住むヒトがどう応答してきたか』『自然環境と人間生活・文化の関係がどのように変化してきたか』など幅広いテーマで議論が展開されました。

今後もサンゴ研の重点プロジェクト「MIRAI Project」では、サンゴロジーを発展させ100年後に残すべき価値を考えていきたいです。

 

※こちらの詳細はサンゴ研が発行する学術誌「Coralogy」に掲載される予定です。

○ 日本サンゴ礁学会オンライン企画
 「サンゴ礁の研究室をオンラインで訪ねてみよう!」

日本サンゴ礁学会オンライン企画では「サンゴ礁の研究室をオンラインで訪ねてみよう!」と題して、サンゴ礁で研究を行う先生方が小中高生に向けてご自身の研究や研究室について紹介し、参加者から寄せられた様々な質問に応えました。

回答者として渡邊理事長も参加し、北海道大学の研究室で行っている研究活動や「KIKAI College」「MIRAI Project」について紹介しました。

参加者からはサンゴの寿命や環境の変化への対応について鋭い質問が寄せられていました。時間の都合上取り上げることのできなかった質問への先生方の回答は、ウェブサイト(https://sites.google.com/view/jcrs23)で後日公開される予定です。

皆さん、ぜひご覧ください。

KIKAI College」「MIRAI Project」に関するお問い合わせは喜界島サンゴ礁科学研究所(電話:0997-66-0200)まで!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です