
イベント報告

シンリョクのシンリャクを開催しました!

このイベントは、喜界島の皆さんに国立公園をシンリャクしている外来植物を知ってもらうために企画しました!
イベントを企画した、鹿児島大学3年の田畠(左)です!
自分は水産学部で、普段は魚や海のことしかやっていませんが、島が好きなのでこのようなイベントを担当させていただきました!
さて、当日は残念ながら、真冬日でしたが…
その分、お茶が身にしみました。
この日は、喜界島にもともと住んでいるシマグワとオオイタビの葉をブレンドした桑茶を参加者に提供しました!
少し甘いお茶で、タンパク質が豊富なのだそうです。
このお茶は、完全手作りです。
まずきれいな葉を採取し…
よく水洗いし、乾かします。
試作時はクァバの葉も使いました。
太い葉脈(主脈、中肋といいます)を取り除き、約5㎜の千切りにします。
千切りにした葉を、焙じて…
茶葉の完成です!!
手前のシマグワは、焦がす直前です。こうなると香りも一段と高く、良い感じに仕上がりました!
20人分用意しましたが、前半の休憩には無くなってしまいました。
ご好評いただきありがとうございました!
【注意】食べると有害な葉もありますので、実践される場合は専門家立会いのもとか、ご自身でよく調べてから行なってください。
イベントの前半は、喜界島の在来植物と国立公園、発見した外来植物の紹介しました。
不慣れな分野の発表でしたが、想像以上の外来植物がシンリャクしていることを伝えられたと思います。
後半は実際に観察するために、シンリョクのフィールドへ!
まず一行が向かった先は、隆起サンゴ礁を登る坂道です。
フィールドを解説するのは、喜界島在住の高坂先生。
先生の本業は獣医師ですが、野草にとっても詳しい方で、今回のお茶も先生から教わりました。
さっそく外来植物のギンネム が目に付きました。
島中の道路脇に茂り、駆除し尽くすのが困難な外来植物の一つです。
もともと住んでいた植物も解説します。これはゲットウです。
葉をちぎるといい香りがします。これも茶葉として優秀で、沖縄ではお土産として販売されていたり、お餅を包んだりします。
坂道を登りきると、セイタカアワダチソウがいました。
セイタカアワダチソウは本土では厄介者扱いされており、周辺植物の生長を阻害します。喜界島にはいないと思っていた方もいました。
他にもホシアサガオ・ムラサキカタバミ・アメリカフウロなど、ここは外来植物の見本市と化していました。
ここでセイタカアワダチソウの駆除を行いました。
次に一行が向かった先は、隆起サンゴ礁の崖下です。
高坂先生が次々と解説していきます。
在来植物をいくつか紹介します。
左からハマイヌビワ、ハマビワ、イヌビワです。紛らわしい名前ですね。違いが分かりますか!?
サツマサンキライ。面白い名前ですね。
喜界島ではサンキラーと呼ばれています。この葉もお餅を包んでいました。
ゲットウの種子が見れました。齧ってみるとなんとも言えない辛みと渋みがあります。
さすがショウガの仲間です。
研究所のFacebookでもフィールドの様子が動画で視聴できるので、興味がありましたらご覧ください!
高坂先生によると、現代人はミネラル不足とのこと。
今はお金さえ払えば、食べ物には困りません。
しかし、食品を加工する段階で、ミネラルは真っ先に流出してしまいます。
骨粗しょう症や貧血は、そうしたミネラル不足が原因の場合もあります。
そんな現代人の問題に向き合えるほどの豊富なミネラルを、野草は持っているそうです。
身近な植物で健康になれるのなら、嬉しい限りですね。
結局、この場所にも多くの外来植物がいました。
100年後、この外来植物たちはどうなっているかとお聞きしたところ、今よりも増えていると答えた方がほとんどでした。
どの場所にも外来植物が繁茂しているので、そう感じてしまうのもいた仕方ないのかもしれません。
在来植物のように、効果的な利用法が見つかればシンリャク止められるかもしれませんね。
研修生の僕としては、異なるジャンルの研究を考える、良いきっかけになりました。ここまでご覧くださってありがとうございました!

みんなで知って守る!喜界島のアオサンゴ

ビーチクリーン&生き物観察会を開催しました♫

国⽴公園の動植物を知るイベントを開催!親⼦連れ43名が参加
喜界島サンゴ礁科学研究所 6th Anniversary 【#100年後に残す】
〜喜界島から世界へ!〜 Coral CO2プロジェクト報告会開催
2020年2月23日、喜界町図書館にてCoral CO2プロジェクト報告会開催を開催しました。

【プロジェクト概要】
弊所は2015年より、地球環境変動の将来予測の鍵となるCoral CO2プロジェクトの準備を 進めてきました。プロジェクトの⽬的は、サンゴの年輪を⽤いて、産業⾰命(18世紀後 半)から現在までの海洋の⼆酸化炭素吸収量を解明し、地球環境変動の将来予測に貢献す ることです。本プロジェクトは、クラウドファンディングで昨年費⽤の⼀部を募集し、⽀援総額1,706,000円となりプロジェクトが成⽴しました。ハワイで掘削したサンゴ⾻格の解析が現在、北海道⼤学で進められています。
Coral CO2プロジェクトのクラウドファンディング ページ
【報告会概要】
報告会では、ハワイでの掘削動画や弊所 渡邊理事⻑・⼭崎所⻑によるトークセッション・実際のサンゴ掘削装備での掘削実演や、北海道⼤学 ⼤学院理学院⽣による解析報告、質疑応答が⾏われました。



【報告内容と今後の期待】
ハワイで掘削したサンゴは累計118年の⾻格を形成していました。(2019年〜1902年)この⾻格は、20世紀を通じた海洋の⼆酸化炭素濃度の変動の記録が残されてる可能性があり、分析を進めるにあたり期待されます。今後は、累計118年の⽔温の復元と、⾻格の炭素同位体⽐を分析・解析し、サンゴが記憶する過去117年間の⼆酸化炭素濃度から⼈類が排出してきた⼆酸化炭素の推移を読み出します。また、ハワイで観測された60年間の⼤気のデータと突き合わせより精度の⾼い気候変動の将来測が期待されます。

【喜界島での今後の展開】
ハワイでの研究成果を⽣かして、喜界島・奄美群島でのサンゴの解析も進め、⽇本近海において⼆酸化炭素濃度がどのように変動してきたかを調べたいと考えています。喜界島サンゴ礁科学研究所は、サンゴ礁研究の「聖地」である喜界島を拠点に世界へ研究成果を発信していくとともに、今後もその過程を報告してまいります。


「知りたいが」未来をつくる!「喜界島のサンゴについて」開催
2020年1⽉23⽇、
島内の児童を対象に、喜界島サンゴ礁科学研究所のサンゴ塾⽣(※1)・こども研究員(※2)による発表と、特別展⽰「科学道100冊」に合わせ九州⼤学・北海道⼤学の学⽣による図書紹介を⾏いました。(喜界島サンゴ礁科学研究所・喜界町図書館共催)

このイベントには島内の児童多数と⼤⼈28名が参加し、参加者は科学と図書のコラボレーションを楽しみました。参加者を対象におこなったアンケートでは「島に住んでいながら 知らないことが多いので勉強になった」「次回、楽しみにしています」という回答がありました。

なお、喜界町図書館ではサンゴ塾⽣・こども研究員が発表したポスターや科学に関する図書の展⽰を3/31まで⾏っています。

【⾏ったプログラム】
■九州⼤学・北海道⼤学院の学⽣による図書の紹介
幼少期に感銘を受けた図書を九州⼤学・北海道⼤学院の学⽣4名が紹介しました。

■サンゴ塾⽣による喜界島での研究発表
・津⽥和忠くん(喜界⾼校2年)「サンゴ礁内の海⽔の炭酸系の解析」
・⽇吉慎太郎くん(喜界⾼校2年)「ハマサンゴ属およびハナガササンゴ属の⾻格形質計測」


■こども研究員によるポスターセッション
喜界町在住のこども研究員(6名)が昨年のサイエンスキャンプのポスターを発表しました。説明と質問を交互にするトーク形式でおこない、こども研究員は最初緊張していましたが、参加者から質問が投げかけられ、その質問に対して⾃分の⾔葉で答えていました。





喜界島ハワイビーチ(国立公園内)のペットボトルの原産国調査結果
先日行ったクリーンアップ&マイクロプラスチック セミナーでは、ペットボトルの原産国調査を行いました。参加した喜界高校・喜界中学校の皆さんが集計してくれました。

駒越博士からのレクチャー

皆さん協力して集計します

バーコードから原産国を割り出します
今回の調査結果がこちらです。

モンスーンや海流により、この割合が変動します。同じ喜界島でも調査場所や季節によって結果が変わります。こうした地道な集計や調査が喜界島の気候や海流の変化を解く鍵になるかもしれません。
サンゴ礁科学研究所は、今後もペットボトルの原産国調査結果やクリーンアップイベントを、皆さんとともに続けていきます。1人の一歩が100人の一歩になるよう、一緒に考えていきましょう。

クリーンアップイベント報告

【イベントレポート】 サンゴ礁エコミュージアムガイド育成講座①
サンゴ礁エコミュージアムガイド育成講座①
ジオエコツアー「巡検!喜界島〜 地質学視点で見る喜界島 〜」を開催しました!
佐々木 圭一 博士(金沢学院大学 准教授)、駒越 太郎 博士(喜界島サンゴ礁科学研究所 研究員)の解説で児童から大人まで、喜界島の「面白さ」を実際に見て、触れて、学びました。当日は多くの質問が出て、あっという間の3時間のジオエコツアーとなりました!
ツアーが終わった後に有孔虫を見る課外授業も 最後は旧早町小の研究所にて課外授業 参加した児童が見つけたアオサ。ブロッコリーのようですね 真剣に観察する背中は未来の研究者!? 先生!これ見て! 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)① 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)② 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)③ 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)拡大 掘られたばかりの地層(旧早町小サンゴ礁科学研究所)
■塩道の北方
島尻層群早町層・知念層・琉球群層が連続して確認できるポイント。(2017年の記録的豪雨の影響で崖崩れが起こり地層が露出しました)実際に、コケムシの化石も確認することができました。
170~140万年前に堆積した知念層は、初めて沖縄本島以外で発見され、重要な研究対象のひとつとなっています。
塩道からの眺望 見えますか?コケムシの化石(塩道の北方)
■志戸桶~佐手久の外周道路から海岸にかかけて
喜界島で最も典型的なサンゴ礁地形を観察することができます。当日は天候によりバス車内からの観察になりましたが、実際に散策して平坦面ごとに異なるサンゴの化石を観察してみるのもよいでしょう。
ロドリス石灰岩(志戸桶海水浴場の北方) ロドリス石灰岩(志戸桶海水浴場の北方)拡大 志戸桶海水浴場の北方① 志戸桶海水浴場の北方② 志戸桶海水浴場の北方③喜界島で唯一、サンゴ礁以外でできた完新世の段丘地形を観察できる 志戸桶海水浴場の北方に向かう途中
■志戸桶海水浴場の北方
喜界島で唯一、サンゴ礁以外でできた完新世の段丘地形を観察できます。3段に分かれた階段状の地形では、40万年前より古い石灰岩(ロドリゲス石灰岩)が確認できる。この段丘面は波食面にあたり、急激な隆起により階段状の地形が形成されたと考えられている。
割れた石灰岩の断面からロドリゲス石灰岩を観察することができました。
■花良治(おまけ)
40万年前の岩礁が上で、7,000年前の岩礁が下にある不思議なスポットです。近くにはオオゴマダラが優雅に舞っていました。
花良治で出会ったオオゴマダラ 花良治にて① 花良治にて② 花良治にて③ 花良治にて④猫の頭蓋骨を発見したようです 駒越先生による個別解説(花良治) 不思議!40万年前が上で7,000年前が下の岩礁(花良治)
当日は雨で開催を心配する声をいただいていましたが、無事に開催することができ、多くの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます!
今後も、実際に現地で見て・触れて・学ぶツアーを企画しますので、どうぞお楽しみに!
(安田)

新棟完成&タラ号来島!!
2017.4.7-8
鹿児島県サンゴ礁科学研究基盤整備事業により喜界島サンゴ礁科学研究所に新棟が完成しました!この新棟は上から見ると造礁サンゴ(六射サンゴ)をモチーフにした六角形をしています。研究者が昼夜問わず研究できる休憩室のほか、展示やカフェスペースを併設する予定です。みなさんにサンゴ礁に親しんでいただけるようなワクワクをこれからいっぱい詰め込みたいと思います!
4月7日に行われた落成式では大島支庁喜界事務所所長 柳田様、喜界町長川島様、喜界町議会議長外内様よりお祝いの言葉をいただきました。喜界島のみなさん、そして喜界島を訪れるみなさんに愛される建物になりますように。
そして!喜界島にあの素敵なお客様がやってきました!!!
タラ号は4月6日の朝から喜界島沿岸で調査を行い、7日の夕方、早町港に入港しました。完成した新棟のウッドデッキで、はじめてのサイエンスカフェを開催!ゲストはタラ号キャプテンのSamuel Audrainさん、タラ号乗船中のシルバン・アゴスティーニ先生(筑波大学)と北野裕子先生(宮崎大学)でした。サンゴの不思議やサンゴの研究をするようになったきっかけ、タラ号と太平洋プロジェクトの使命をお話ししていただきました。こども研究員や島のみなさんからたくさんの質問が出ました。当日は風もなく穏やかな気温で野外でのサイエンスカフェは大成功。
サイエンスカフェのメニューはお馴染みのサンゴカレーと喜界島サンゴ礁科学研究所に縁のあるハワイやドイツのビール。タラ号のクルーの皆さんにも楽しんでいただけて良かったです!今後もこの“サンゴのいえ”でサイエンスカフェを開催していきたいと思います。
そして次の日はこどもたちとタラ号を見学。早町小、喜界小、喜界中、喜界高からのメッセージもお届けしました!喜界島の子供達からのメッセージはタラ号と共に旅した後、フランスのタラ財団に飾られるとのことでした。
船内で子供達はアートプロジェクトに参加。海のイメージをドローイングしました。子供達が真剣に絵を描く様子はタラ号のウェブサイトでも紹介されていますので、ぜひごらんください!
https://oceans.taraexpeditions.org/en/media-library/photos/
そしてタラ号は喜界島のみなさんかの応援メッセージが書かれた旗をはためかせて出港しました!また世界の海のどこかでタラに会えると良いですね!!!
投稿: 山崎敦子 写真: 藤崎咲子

喜界島サンゴフェス開催!!!
2017.2.11-12
『喜界島サンゴフェス』を開催しました!
サンゴ礁に親しみを持ってもらえますように…。全国各地でサンゴ礁保全に取り組んでいらっしゃるみなさんが来島し、喜界島サンゴフェスが開催されました!
主催: 環境省、鹿児島県、喜界町、喜界島サンゴ礁科学研空所、奄美群島サンゴ礁保全協議会
協力: WWF白保サンゴ村、NPO法人夏花、オーガニックアイランド喜界島、フラダンス「アヌエヌエ」のみなさん、喜界島観光物産協会
ステージでは環境省が取り組んでいるサンゴ礁生態系保全行動計画2016-2020についての紹介と3人の先生による講演がありました。上村真仁先生(筑紫女子学院大学)による石垣島白保集落のみなさんが行った地域でのサンゴ礁保全の活動、岩瀬文人先生(四国 海と生き物研究室)の四国でのサンゴ研究と保全の取り組み、土屋誠先生(琉球大学名誉教授)によるサンゴ礁保全の重要性と沖縄での保全の取組、各地での地域とサンゴ礁の関わり方から、喜界島のサンゴを見守るための重要なヒントをたくさんいただいました。
また会場には喜界島のサンゴを守る無農薬野菜の販売や、展示、星砂探しなど、ご家族で楽しんでもらえるコーナーがたくさん!
研究所の看板も来場者のみなさんにサンゴを貼り付けてもらって完成しました!ありがとうございました!
最後には喜界島のフラダンスチーム「アヌエヌエ」のみなさんにフラダンスを披露していただきました!とても可愛く、美しかったです。
当日は約200名のみなさんにご来場いただき、とても賑やかなイベントになりました。ありがとうございました!
今後もサンゴに親しみを持っていただけるように、サンゴをみなさんと見守っていけるように、研究所は活動していきます。
どうぞよろしくお願いします。
(山崎)
サンゴフェスに関する報道
南海日日新聞(2月12日)
http://www.nankainn.com/weather/喜界島でサンゴフェス
奄美新聞(2月11日)
http://amamishimbun.co.jp/?QBlog-20170211-1&mode=archives&date=201702
南日本新聞(2月23日紙面)
タラ号太平洋プロジェクト2016-2018
タラ号太平洋プロジェクト2016-2018 youtube link
2017.4.6-8 喜界島にタラ号がやってくる!
フランスの科学探査船タラ号は2016年5月にフランス・ロリアン港を出発し、サンゴ礁を調査しながら大西洋・太平洋を横断して、今月ついに、日本に到着しました。
喜界島サンゴ礁科学研究所はタラ号の日本航海のパートナーとして、喜界島でタラ号を迎えます。地球環境変動と広い太平洋のサンゴ礁の中で、喜界島のサンゴにはどんな特徴があるのか、調査の結果が楽しみです。
また喜界島サンゴ礁科学研究所では、タラ号の歓迎イベントを企画しました。こちらもぜひ、ご参加ください!
イベント1: タラ号に手紙を書こう!
期限: 2017年3月中
タラ号へのお手紙ポストを各学校と喜界島サンゴ礁科学研究所に設置します。タラ号の旅の応援やサンゴ礁に関する質問を書いてみよう!みんなの手紙はタラ号の乗船研究者のみなさんに届けます。
イベント2: タラ号の乗船研究者と話そう!サイエンスカフェ&バー
タラ号に乗船しているサンゴの研究者の方に、研究内容やタラ号のプロジェクトについて紹介してもらいます。
2017年4月7日(金) 18:00-19:00
場所: 喜界島サンゴ礁科学研究所 (旧早町小学校)
トーク: シルバン・アゴスティーニ先生(筑波大学)・深見裕伸先生(宮崎大学)
参加費: 500円(ドリンク1杯付き)
研究所のカフェは21:00までオープン予定です。
問い合わせ: 0997-66-0200 (喜界島サンゴ礁科学研究所)

集中講義を開講しました!
2017.2.8 –10
北海道大学大学院共通科目『地球環境史概論』を喜界島にて開講しました。遠く札幌から4名の大学院生が喜界島にやってきました。早朝4時にフェリーではるばるやってくる受講生のみなさんを待っている時間がワクワクしました。
昨年度まで『地球環境史概論』は札幌で開講されており、講義室で講義を聞いてディスカッションを行うものでした。喜界島に拠点ができたので、地球環境変動が作った地形を、学生のみなさんと実際に体感しながら議論できたら面白いだろうな…ということで、今年は初めての学外での開講になりました。
午前中は研究所でコーヒーを飲みながら、講義とディスカッションでサンゴと地球環境の関係について考えたのち、午後は喜界島のサンゴとサンゴ礁地形を実際に観察しながら、地球環境に対するサンゴ礁の実際の応答を見てもらう…という理想の講義が実現しました。
受講生のみなさんはそれぞれ専門がバラバラで、サンゴという生き物について今回、初めてじっくり考えてくれたと思います。そんな中で、分野が違っていても共通する考え方があったり(もちろん、お互いに違いを発見したり)、サンゴ礁の研究に活かせそうなアイディア、研究手法を提案してくれました。さすが大学院生です。少人数だったので、じっくり話をする時間が取れて、私たちも面白かったです。
天気がすぐれなかったですが、ちょっとでもチャンスがあればフィールドワーク!というアクティブな受講生のみなさんでよかったです。(写真を撮った時は本当に風が強かったですね。)
次回は海に入れる季節に開講したいなと構想中です。
『地球環境史概論』は聴講生・科目履修生として一般の方の参加も可能です。喜界島のサンゴと地球環境について考えてみたい方は是非、来年度の参加をご検討ください。詳細は下記をごらんください。お待ちしております。
(山崎)
北海道大学大学院共通授業科目『地球環境史概論』
担当: 渡邊剛・山崎敦子(北海道大学理学研究院)
言語: 日本語と英語のバイリンガル授業
地球は、過去の地質時代において様々な環境の変化や事変を伴うダイナミックな変動を繰り返し、生物は、絶滅と進化を繰り返し現在に至っている。サンゴ礁は、造礁性サンゴを始めとする生物が石灰化を行うことにより形成され、その中に多種多様な生物と豊かな生態系を保持している。以下の命題について、それぞれのキーワードと簡単な解説・喜界島でのフィールドワークをもとにディスカッションとディベートを行い、様々な分野や問題が複合的に絡み合う地球環境史を学ぶための基礎力を養う。
- 現在の地球は温暖化しているか?
キーワード: 第四紀と地球史、人類活動と二酸化炭素濃度、IPCC、観測記録、古気候指標
- 温暖化するとエルニーニョは活発化するか、消滅するか?
キーワード: エルニーニョ現象、過去のエルニーニョ記録、パーマネントエルニーニョとクールエルニーニャ説、エルニーニョの内因および外的フォーシング
- “サンゴ”は二酸化炭素の放出源か吸収源か?
キーワード: 石灰化と二酸化炭素、炭素循環、有機生産と無機生産、風化プロセス
- 温暖化すると北海道にサンゴは到達するか?
キーワード: 地球温暖化と海洋酸性化(大気二酸化炭素濃度と炭酸塩飽和度)、高水温線の北上と低炭酸塩飽和度線の南下、サンゴの適応、過去の水質記録
- 温暖化するとサンゴは方解石を作るようになるのか?
キーワード: 海洋酸性化、アラゴナイトシーとカルサイトシー、海洋組成変化、化石記録
- 富栄養化(海洋汚染)が進行するとサンゴ礁は藻場に交代するか?
キーワード: 栄養塩とサンゴ礁、フェーズシフト、ローカルストレスとグローバルストレス、人類活動とサンゴ生態系
- サンゴと共生藻類の共生関係は将来も続くか?
キーワード: サンゴの適応戦略と進化、過鞭毛藻との共進化、白化現象と過鞭毛藻グレード
- 人間とサンゴは共生すべきなのか?
キーワード: サンゴ礁の資産(水産、観光、居住地)、開発と保護、生物多様性とサンゴ礁
北海道大学理学院 聴講生・科目履修生募集のご案内
http://www.sci.hokudai.ac.jp/graduateschool/entrance/examinee/

サンゴ礁サイエンスキャンプ2016にご参加くださった皆様へ
今年もサンゴ礁サイエンスキャンプにご参加、応援を頂き、ありがとうございました。
無事に全ての日程が終了し、こども研究員のみなさんと笑顔で解散できたことを本当に嬉しく思います。
今回は昨年の夏に続いて、研究所に再び訪れてくれたこども研究員も多く、よりお兄さん、お姉さんらしく成長し、調査や研究発表をする姿を見て感動しました、また、今年新たに、こども研究員となったみなさんとの出会いも大変素晴らしいものでした。今年は島外からの参加者が約半数となり、遠い喜界島まで飛行機や船でやってきただけでも大冒険だったと思います。海外から駆けつけてくれた方々もいました。全国のこども研究員がまた喜界島に、研究所に帰ってきてくれるのを楽しみに待っています。
また、こども研究員をキャンプへ送り出してくださった、ご家族のみなさん、ありがとうございました。お子さんたちのたくさんの笑顔と一生懸命研究に取り組む姿は私たち研究者にとっても大変、励みになりました。サンゴ礁サイエンスキャンプがお子さんたちの良き思い出、記憶に残り、キャンプ中の出来事が一つでもお子さんたちの将来に役立つ時が来たら、とても嬉しいです。
今回も、サンゴ礁サイエンスキャンプはとても多くの人に支えられて開催することができました。
研究所に各地から終結した大学の先生方・学生のみなさん、遠く北海道から運営をサポートしてくれたみなさん、キャンプ中に応援に駆けつけてくださった海洋実習及び調理ボランティアのみなさん、後援してくださったみなさん、そしてキャンプの運営スタッフおよび研究所のスタッフ&スタッフのOGのみなさん、本当にありがとうございました!!!!!
サンゴ礁サイエンスキャンプはまた来年も開催する予定です。
日程は2017年7月31日(月) ~ 8月4日(金)を予定しております。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
喜界島サンゴ礁科学研究所
理事長 渡邊剛
所長 山崎敦子
サンゴ礁サイエンスキャンプ成果発表in日本サンゴ礁学会第18回大会
2015/11/29
サンゴ礁サイエンスキャンプの成果ポスターを日本サンゴ礁学会第18回大会コーラルカフェ会場に展示させていただきました!
予想以上の大きなスペースをいただき、内容をじっくり読んでくださっている方もいました。こども研究員のするどい観察、実験結果が伝わったとおもいます。来年のキャンプの成果もぜひ発表したいですね。ご覧頂いた皆様、ありがとうございました!
今回、展示したポスターは引き続き、研究所のセミナー室で展示致します。ご来所の際にはぜひご覧ください!
喜界島サンゴ礁科学ウィーク2015にご協力頂いた皆様へ
2015/9/7
喜界島サンゴ礁科学ウィークにご協力、ご参加頂き大変ありがとうございました。お陰様で大成功でした。
子供達、講師の皆様、参加者の皆様、ボランティアの皆様、総ての方々の笑顔を見ることができ、僕自身はとてもよかったと勝手に大満足をしております。皆さんもさぞお疲れだったでしょうけれども、子供達のあふれる完成と飛行場で小西先生に頂いた満面の笑顔で疲れが取れてくれたと願っております。総てがとてもよい勉強になりました。来年も是非やらせてください。我々もようやく北海道大学に戻り、現在、海外の大学院生向けのサマー大学なるものをやっております。今後は、喜界島でも、国内外の大学生や大学院生向けの企画などもやっていければと思っております。
今回のような、時期も悪い、台風は来る、軍資金も不十分、とにかくやってみよう、の中で、皆様にご協力頂いたことは生涯忘れません。おこがましいですが、勝手に同志のようなものだと思い込んでしまっており、そのような仲間に出会えたことを嬉しく思っています。今後そのような仲間が皆さんの周りから少しずつ増えていってくれればと期待しています。
皆さんに頂いた貴重なご意見やご感想は今後、少しずつでも確実に反映していければと思っております。シンポジウムのパネルディスカッションなどでもいろいろ話をさせて頂きましたように、今後、諸々なことを皆様と共にどしどしやっていきたいと考えております 。今後とも喜界島サンゴ礁科学研究所をどうぞよろしくお願い致します。
渡邊 剛

サンゴ礁サイエンスキャンプin 喜界島を開催しました!
2015/8/19-23
サンゴ礁サイエンスキャンプin喜界島は全国から集まったこども研究員がサンゴ礁研究者と一緒に、喜界島全域をフィールドとして調査をおこなうというものです。今回は小中学生16名が参加し、サンゴ礁地球環境学、地質学、生物学、生態学の4分野の研究チームに分かれ、4泊5日で調査をおこないました。
調査隊のこどもたちは、はじめてのシュノーケルをつけて海を泳ぐ子も多く、サンゴ礁に棲む生物の観察に夢中になり、なかなか海からあがってこないほどでした。またそれぞれ好きなサンゴ礁の生き物をみつけたり、サンゴの蛍光物質の抽出や、サンゴの年輪計測したりなど、本物の研究者さながら4日間に渡り調査をおこない、喜界島サンゴ礁研究所のオープニングセレモニーに島内外あわせて約100名が参加しました。セレモニーに参加したみなさんからは、とてもレベルの高い発表だったと講評をいただきました。
最後にサンゴ礁サイエンスキャンプの参加者は、喜界島サンゴ礁科学研究所のこども研究員として認定され、認定証が渡されました。こども研究員認定証は講師の所属である、北海道大学、東京大学、東邦大学、金沢学院大学、鹿児島大学、琉球大学のサンゴ礁研究室および喜界島サンゴ礁科学研究所への見学・利用のパスポートとなります。この中から未来のサンゴ礁研究者が誕生したら嬉しい限りです。
また来年もスケールアップをして開催したいと思っております!また新たなこども研究員の誕生と今年参加したベテラン研究員のみなさんにお会いできるのを楽しみにしております。

喜界島サンゴ礁科学研究所のオープニングセレモニーを開催しました!
2015.8.22
昨年、多くの素晴らしいサンゴ礁研究を生み出してきた喜界島にはじめて訪れた私達は圧倒的な離水サンゴ礁の景観に一目で魅了されました。この日本が、世界に誇る離水サンゴ礁とサンゴをはじめとする奄美群島の素晴らしい自然を生かし、研究活動をさらに加速させるための拠点を設置したいと考え、昨年から多くの方々の協力のもと準備を進めてきました。そして喜界島サンゴ礁科学研究所は、ついに8月22日開所を迎えました。
オープニングセレモニーには島内外あわせて約100名が参加し、代表理事・所長挨拶、喜界町副会長嶺義久様の祝辞、サイエンスキャンプの研究成果発表、そして金沢大学名誉教授小西健二先生の開所記念講演がありました。開所にあたり、皆様に多くのご支援・ご協力をいただきました。今後とも私達の喜界島での研究成果を喜界町の皆様に還元できるように努めて参ります。
喜界島サンゴ礁科学研究所をどうぞよろしくお願い致します。

喜界町立早町小学校で出張授業をおこないました!
2015/5/6
早町小学校にて出張授業をさせていただいました!「夢育て月間」の一環として、「わたしが科学者になるまで」と「サンゴの研究」についてお話させていただきました。
緊張して前の日から寝られませんでしたが、早町小のみなさんのキラキラした目と素直な反応にパワーをもらって楽しくお話することができました。質問もたくさんいただき、みなさんのは頭の回転の速さと想像力に圧倒さてれ帰ってきました。そして、授業後には全校生徒のみなさんから、お手紙をいただきました。色とりどりのサンゴと似顔絵、科学者になりたいと書いてくれた方もいて、嬉しかったです。
早町小学校のみなさん、貴重な機会をいただきありがとうございました!
(山崎敦子)