シンリョクのシンリャクを開催しました!

このイベントは、喜界島の皆さんに国立公園をシンリャクしている外来植物を知ってもらうために企画しました!

イベントを企画した、鹿児島大学3年の田畠(左)です!

自分は水産学部で、普段は魚や海のことしかやっていませんが、島が好きなのでこのようなイベントを担当させていただきました!

さて、当日は残念ながら、真冬日でしたが…

その分、お茶が身にしみました。

この日は、喜界島にもともと住んでいるシマグワとオオイタビの葉をブレンドした桑茶を参加者に提供しました!

少し甘いお茶で、タンパク質が豊富なのだそうです。

このお茶は、完全手作りです。

まずきれいな葉を採取し…

よく水洗いし、乾かします。

試作時はクァバの葉も使いました。

太い葉脈(主脈、中肋といいます)を取り除き、約5㎜の千切りにします。

千切りにした葉を、焙じて…

茶葉の完成です!!

手前のシマグワは、焦がす直前です。こうなると香りも一段と高く、良い感じに仕上がりました!

20人分用意しましたが、前半の休憩には無くなってしまいました。

ご好評いただきありがとうございました!

【注意】食べると有害な葉もありますので、実践される場合は専門家立会いのもとか、ご自身でよく調べてから行なってください。

イベントの前半は、喜界島の在来植物と国立公園、発見した外来植物の紹介しました。

不慣れな分野の発表でしたが、想像以上の外来植物がシンリャクしていることを伝えられたと思います。

後半は実際に観察するために、シンリョクのフィールドへ!

まず一行が向かった先は、隆起サンゴ礁を登る坂道です。

フィールドを解説するのは、喜界島在住の高坂先生。

先生の本業は獣医師ですが、野草にとっても詳しい方で、今回のお茶も先生から教わりました。

さっそく外来植物のギンネム が目に付きました。

島中の道路脇に茂り、駆除し尽くすのが困難な外来植物の一つです。

もともと住んでいた植物も解説します。これはゲットウです。

葉をちぎるといい香りがします。これも茶葉として優秀で、沖縄ではお土産として販売されていたり、お餅を包んだりします。

坂道を登りきると、セイタカアワダチソウがいました。

セイタカアワダチソウは本土では厄介者扱いされており、周辺植物の生長を阻害します。喜界島にはいないと思っていた方もいました。

他にもホシアサガオ・ムラサキカタバミ・アメリカフウロなど、ここは外来植物の見本市と化していました。

ここでセイタカアワダチソウの駆除を行いました。

次に一行が向かった先は、隆起サンゴ礁の崖下です。

高坂先生が次々と解説していきます。

在来植物をいくつか紹介します。

左からハマイヌビワ、ハマビワ、イヌビワです。紛らわしい名前ですね。違いが分かりますか!?

サツマサンキライ。面白い名前ですね。

喜界島ではサンキラーと呼ばれています。この葉もお餅を包んでいました。

ゲットウの種子が見れました。齧ってみるとなんとも言えない辛みと渋みがあります。

さすがショウガの仲間です。

研究所のFacebookでもフィールドの様子が動画で視聴できるので、興味がありましたらご覧ください!

高坂先生によると、現代人はミネラル不足とのこと。

今はお金さえ払えば、食べ物には困りません。

しかし、食品を加工する段階で、ミネラルは真っ先に流出してしまいます。

骨粗しょう症や貧血は、そうしたミネラル不足が原因の場合もあります。

そんな現代人の問題に向き合えるほどの豊富なミネラルを、野草は持っているそうです。

身近な植物で健康になれるのなら、嬉しい限りですね。

結局、この場所にも多くの外来植物がいました。

100年後、この外来植物たちはどうなっているかとお聞きしたところ、今よりも増えていると答えた方がほとんどでした。

どの場所にも外来植物が繁茂しているので、そう感じてしまうのもいた仕方ないのかもしれません。

在来植物のように、効果的な利用法が見つかればシンリャク止められるかもしれませんね。

研修生の僕としては、異なるジャンルの研究を考える、良いきっかけになりました。ここまでご覧くださってありがとうございました!