
Author: kikaireefs

〜喜界島から世界へ!〜 Coral CO2プロジェクト報告会開催
2020年2月23日、喜界町図書館にてCoral CO2プロジェクト報告会開催を開催しました。

【プロジェクト概要】
弊所は2015年より、地球環境変動の将来予測の鍵となるCoral CO2プロジェクトの準備を 進めてきました。プロジェクトの⽬的は、サンゴの年輪を⽤いて、産業⾰命(18世紀後 半)から現在までの海洋の⼆酸化炭素吸収量を解明し、地球環境変動の将来予測に貢献す ることです。本プロジェクトは、クラウドファンディングで昨年費⽤の⼀部を募集し、⽀援総額1,706,000円となりプロジェクトが成⽴しました。ハワイで掘削したサンゴ⾻格の解析が現在、北海道⼤学で進められています。
Coral CO2プロジェクトのクラウドファンディング ページ
【報告会概要】
報告会では、ハワイでの掘削動画や弊所 渡邊理事⻑・⼭崎所⻑によるトークセッション・実際のサンゴ掘削装備での掘削実演や、北海道⼤学 ⼤学院理学院⽣による解析報告、質疑応答が⾏われました。



【報告内容と今後の期待】
ハワイで掘削したサンゴは累計118年の⾻格を形成していました。(2019年〜1902年)この⾻格は、20世紀を通じた海洋の⼆酸化炭素濃度の変動の記録が残されてる可能性があり、分析を進めるにあたり期待されます。今後は、累計118年の⽔温の復元と、⾻格の炭素同位体⽐を分析・解析し、サンゴが記憶する過去117年間の⼆酸化炭素濃度から⼈類が排出してきた⼆酸化炭素の推移を読み出します。また、ハワイで観測された60年間の⼤気のデータと突き合わせより精度の⾼い気候変動の将来測が期待されます。

【喜界島での今後の展開】
ハワイでの研究成果を⽣かして、喜界島・奄美群島でのサンゴの解析も進め、⽇本近海において⼆酸化炭素濃度がどのように変動してきたかを調べたいと考えています。喜界島サンゴ礁科学研究所は、サンゴ礁研究の「聖地」である喜界島を拠点に世界へ研究成果を発信していくとともに、今後もその過程を報告してまいります。


「知りたいが」未来をつくる!「喜界島のサンゴについて」開催
2020年1⽉23⽇、
島内の児童を対象に、喜界島サンゴ礁科学研究所のサンゴ塾⽣(※1)・こども研究員(※2)による発表と、特別展⽰「科学道100冊」に合わせ九州⼤学・北海道⼤学の学⽣による図書紹介を⾏いました。(喜界島サンゴ礁科学研究所・喜界町図書館共催)

このイベントには島内の児童多数と⼤⼈28名が参加し、参加者は科学と図書のコラボレーションを楽しみました。参加者を対象におこなったアンケートでは「島に住んでいながら 知らないことが多いので勉強になった」「次回、楽しみにしています」という回答がありました。

なお、喜界町図書館ではサンゴ塾⽣・こども研究員が発表したポスターや科学に関する図書の展⽰を3/31まで⾏っています。

【⾏ったプログラム】
■九州⼤学・北海道⼤学院の学⽣による図書の紹介
幼少期に感銘を受けた図書を九州⼤学・北海道⼤学院の学⽣4名が紹介しました。

■サンゴ塾⽣による喜界島での研究発表
・津⽥和忠くん(喜界⾼校2年)「サンゴ礁内の海⽔の炭酸系の解析」
・⽇吉慎太郎くん(喜界⾼校2年)「ハマサンゴ属およびハナガササンゴ属の⾻格形質計測」


■こども研究員によるポスターセッション
喜界町在住のこども研究員(6名)が昨年のサイエンスキャンプのポスターを発表しました。説明と質問を交互にするトーク形式でおこない、こども研究員は最初緊張していましたが、参加者から質問が投げかけられ、その質問に対して⾃分の⾔葉で答えていました。




科学研究費補助金等について
特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所は、令和元年8月30日付で文部科学省から研究機関指定(科学研究費補助金取扱規定第2条第4項に規定する研究機関)を受け、研究機関として登録されました。
喜界島サンゴ礁科学研究所に所属する研究者が科研費に申請し、研究を推進することが可能となりました。詳細につきましては、お問い合わせページにて、ご質問を受け付けております。
喜界島サンゴ礁科学研究所が皆様のご研究の発展に、貢献できれば幸いです。
特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所における研究活動上の不正行為の防止及び対応に関する規程
研究費の不正使用および研究活動における不正行為の告発に係る通報窓口
「研究費の不正・不適切使用」に関する告発は、次のところで受け付けています。
「研究活動における不正行為」に関するご相談・告発もこちらで受け付けます。
■通報窓口
特定非営利活動法人喜界島サンゴ礁科学研究所・運営管理部門
住 所 〒891-6151 鹿児島県大島郡喜界町大字塩道1508
電 話 (0997) 66-0200
E-mail tuho@kikaireefs.org ※メールを送信する際には@を半角に修正してください。
■通報に当たっての留意事項
- 原則として顕名によること。なお、通報者は、悪意に基づく通報であると認定されない限り、単に通報したことを理由に不利益な取扱いを受けることはありません。
- 通報するに足りる合理的な理由又は根拠を示してください。
- 通報者は、不正使用の調査に対し、誠実に協力してください。
- 悪意に基づく通報であると認定された場合には、原則として当該通報した者の氏名等を公表します。
- 悪意に基づく通報など行為の悪質性が高いことが判明した場合は、刑事告発や民事訴訟などの法的措置を講じることがあります。
<参考:不正使用と認定された者に対する処分>
- 競争的資金への申請及び応募資格の制限、研究費の返還、研究者本人の弁償責任
- 機関内での人事処分(懲戒解雇、諭旨解雇、出勤停止、減給、戒告等)
- 個人の氏名を含んだ調査結果の公表
- 悪質性が高い場合は、刑事告発や民事訴訟等の法的措置
最終更新日:2020年2月18日

〈イベント〉喜界島サンゴ礁科学研究所 こども研究員による発表「喜界島のサンゴについて」

科学道100冊2020ジュニア特別企画講演会
「知りたい」が未来をつくる!
喜界島サンゴ礁科学研究所 こども研究員による発表
「喜界島のサンゴについて」
日時:2/23(日)13:00〜14:30
場所:喜界町図書館(喜界町大字赤連30)
講師:喜界島サンゴ礁科学研究所・こども研究員
参加対象:小学生以上、大人の皆さんも是非ご参加ください
定員:30名程度
共催:喜界島サンゴ礁科学研究所・喜界町図書館
問い合わせ:
喜界島サンゴ礁科学研究所
TEL:0997-66-0200
喜界町図書館
TEL:0997-65-0962

〈イベント〉Coral Co2プロジェクト 報告会

Coral CO2プロジェクト報告会 in 喜界島
2/23(日)14:45~15:30
場所:喜界町図書館(喜界町大字赤連30)
Coral CO2プロジェクトのクラウドファンディングは111名の皆さんに応援いただき、 支援総額1,706,000円となり無事、プロジェクトが成立しました。 サポーターの皆様、本当にありがとうございます。
Coral CO2プロジェクトはまだスタートを切ったばかりです。 現在、ハワイで掘削したサンゴの骨格の解析を進めています。
報告会では北海道大学で進められている分析を皆さんへお伝えします。
主催:喜界島サンゴ礁科学研究所
お問い合わせTEL:0997-66-0200
南日本新聞(2020年1月20日付)に掲載されました

南日本新聞(2020年1月20日付)14面:地域総合

喜界島ハワイビーチ(国立公園内)のペットボトルの原産国調査結果
先日行ったクリーンアップ&マイクロプラスチック セミナーでは、ペットボトルの原産国調査を行いました。参加した喜界高校・喜界中学校の皆さんが集計してくれました。

駒越博士からのレクチャー

皆さん協力して集計します

バーコードから原産国を割り出します
今回の調査結果がこちらです。

モンスーンや海流により、この割合が変動します。同じ喜界島でも調査場所や季節によって結果が変わります。こうした地道な集計や調査が喜界島の気候や海流の変化を解く鍵になるかもしれません。
サンゴ礁科学研究所は、今後もペットボトルの原産国調査結果やクリーンアップイベントを、皆さんとともに続けていきます。1人の一歩が100人の一歩になるよう、一緒に考えていきましょう。

南海日日新聞・奄美新聞に掲載


研究所がおこなったクリーンアップイベントが南海日日新聞(2020年1月20日付)、奄美新聞(2020年1月23日付)に掲載されました。
アカデミストジャーナルに「アッカド帝国崩壊の原因をサンゴの化石から解明」が掲載!

【アカデミストジャーナル(最先端研究を伝える学術系メディア)】に「アッカド帝国崩壊の原因をサンゴの化石から解明」が掲載されました。
記事中には、オマーン北東部に厳正する造礁サンゴの写真も掲載されており、渡邊理事長・山崎所長らの研究グループがおこなった、化石サンゴを用いた古気候復元の過程がわかりやすく記述されています。
皆様、ぜひご一読ください。
■academist Journal
https://academist-cf.com/journal/?p=12342

クリーンアップイベント報告

渡邊理事長出演!大杉隼平さんショートドキュメンタリー映画公開
大杉隼平さんのショートドキュメンタリー映画『KIKAIJIMA』が公開になりました。

サンゴ礁科学研究所の渡邊理事長が出演しています。
喜界島の美しい景色とともにサンゴ礁科学研究所の本部がなぜ、喜界島にあるのか。このショートドキュメンタリー映画にはその理由が詰まっています。
youtubeでご覧ください。
■youtube
https://youtu.be/g2De66kvTJc

KIKAIREEFS 11号 発行!
サンゴ礁科学研究所ニュースレター「KIKAIREEFS」11号が発行されました!
目次
■日本サンゴ礁学会 第22回大会
・日本サンゴ礁学会公開シンポジウム「サンゴの記憶」
・北海道大学サンゴ礁地球環境学研究室ラボツアー
・中学生・高校生によるサンゴ礁研究ポスター発表
■アッカド帝国崩壊の原因をサンゴの化石から解明
北海道大学大学院理学院 博士後期課程 渡邉貴昭
(理事? 渡邊 剛、所長/副理事長 ?崎敦?)
■Coral CO2 プロジェクト報告会 in 北海道大学
■サンゴ礁科学研究所NEWS & インフォメーション
■連載:サンゴロジー「私とサンゴの関係」
東京大学 大気海洋研究所 樋口富彦 先生
たくましく生きるサンゴ
■サンゴ礁科学研究所インターンシップ生募集のお知らせ
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今週のサンゴ塾
ハワイビーチのハマサンゴがビーチ内の生息位置によって成長速度に違いがあるのかを調べるため、採取したハマサンゴを岩石カッターで裁断し、レントゲン撮影をしました。さて、どのような結果になるのでしょうか?



■サンゴ塾とは?
中学生・高校生・一般の方を対象としたサンゴ礁研究プログラムです。
【1年コース、1週間コース、3日間コース】
詳しくはサンゴ塾ホームページをご覧ください。
http://college.kikaireefs.org/

【イベントレポート】 サンゴ礁エコミュージアムガイド育成講座①
サンゴ礁エコミュージアムガイド育成講座①
ジオエコツアー「巡検!喜界島〜 地質学視点で見る喜界島 〜」を開催しました!
佐々木 圭一 博士(金沢学院大学 准教授)、駒越 太郎 博士(喜界島サンゴ礁科学研究所 研究員)の解説で児童から大人まで、喜界島の「面白さ」を実際に見て、触れて、学びました。当日は多くの質問が出て、あっという間の3時間のジオエコツアーとなりました!
ツアーが終わった後に有孔虫を見る課外授業も 最後は旧早町小の研究所にて課外授業 参加した児童が見つけたアオサ。ブロッコリーのようですね 真剣に観察する背中は未来の研究者!? 先生!これ見て! 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)① 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)② 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)③ 島尻層・知念層・琉球層群が連続して観察できるポイントにて(塩道の北方)拡大 掘られたばかりの地層(旧早町小サンゴ礁科学研究所)
■塩道の北方
島尻層群早町層・知念層・琉球群層が連続して確認できるポイント。(2017年の記録的豪雨の影響で崖崩れが起こり地層が露出しました)実際に、コケムシの化石も確認することができました。
170~140万年前に堆積した知念層は、初めて沖縄本島以外で発見され、重要な研究対象のひとつとなっています。
塩道からの眺望 見えますか?コケムシの化石(塩道の北方)
■志戸桶~佐手久の外周道路から海岸にかかけて
喜界島で最も典型的なサンゴ礁地形を観察することができます。当日は天候によりバス車内からの観察になりましたが、実際に散策して平坦面ごとに異なるサンゴの化石を観察してみるのもよいでしょう。
ロドリス石灰岩(志戸桶海水浴場の北方) ロドリス石灰岩(志戸桶海水浴場の北方)拡大 志戸桶海水浴場の北方① 志戸桶海水浴場の北方② 志戸桶海水浴場の北方③喜界島で唯一、サンゴ礁以外でできた完新世の段丘地形を観察できる 志戸桶海水浴場の北方に向かう途中
■志戸桶海水浴場の北方
喜界島で唯一、サンゴ礁以外でできた完新世の段丘地形を観察できます。3段に分かれた階段状の地形では、40万年前より古い石灰岩(ロドリゲス石灰岩)が確認できる。この段丘面は波食面にあたり、急激な隆起により階段状の地形が形成されたと考えられている。
割れた石灰岩の断面からロドリゲス石灰岩を観察することができました。
■花良治(おまけ)
40万年前の岩礁が上で、7,000年前の岩礁が下にある不思議なスポットです。近くにはオオゴマダラが優雅に舞っていました。
花良治で出会ったオオゴマダラ 花良治にて① 花良治にて② 花良治にて③ 花良治にて④猫の頭蓋骨を発見したようです 駒越先生による個別解説(花良治) 不思議!40万年前が上で7,000年前が下の岩礁(花良治)
当日は雨で開催を心配する声をいただいていましたが、無事に開催することができ、多くの方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます!
今後も、実際に現地で見て・触れて・学ぶツアーを企画しますので、どうぞお楽しみに!
(安田)
【プレスリリース】 地球温暖化が西インド洋の気候システムに与えた影響を解明 〜オマーン産サンゴから地球温暖化停滞時におけるインド洋ダイポール現象を復元〜
地球温暖化が⻄インド洋の気候システムに与えた影響を解明 〜オマーン産サンゴから地球温暖化停滞時におけるインド洋ダイポール現象を復元〜
渡邊 剛 理事長,山崎 敦子 所長らの研究成果が,英国時間2019年2月14日(木)公開のScientific Reports誌に掲載されました。
研究成果の詳細は下記URLにてご覧いただけます。https://kikaireefs.org/KIKAI-press_20190226.pdf
(山崎)
喜界島サンゴ礁科学研究所https://kikaireefs.org
メディア掲載のお知らせ
【シャコガイ殻に残された台風の痕跡~過去の台風の復元指標~】
5月21日にプレスリリースされた研究論文の記事が各メディアに掲載されました!リンクのURLからご覧になれます。
2018年5月28日掲載
シャコガイの貝殻で過去の台風を分析 – 朝日新聞DIGITAL
https://www.asahi.com/articles/CMTW1805280100004.html
(2018年5月28日掲載)
古代台風の実態 貝殻から解明へ -NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180528/0000346.html
(2018年5月28日掲載)
Giant clams tell the story of past typhoons ―PHYS.ORG
https://phys.org/news/2018-05-giant-clams-story-typhoons.html
(2018年5月24日掲載)
田邊
Geochemical and Microstructural Signals in Giant Clam Tridacna Maxima Recorded Typhoon Events
シャコガイ殻に残された台風の痕跡~過去の台風の復元指標~
漂着油に関する情報提供のお願い
2018年2月より奄美群島の海岸に油のかたまりの漂着が確認されています。
漂着状況の調査のため、喜界島の海岸で漂着油を確認された方は、①日付と②場所と③現場の写真を、研究所のFacebookまたはEメールにてご提供ください。
喜界島サンゴ礁科学研究所 代表Eメールアドレス
mail(at)kikaireefs.org (at)の部分を@に変更してお送りください。
みなさまから寄せられて情報は随時、Webサイトにて公開しております。
https://kikaireefs.org/oilmap.html
ご協力、よろしくお願い申し上げます。
(山崎)
喜界島サンゴ礁科学研究所
サンゴ礁科学研究-IV ―喜界島サンゴ礁科学研究所設立記念号―出版のお知らせ
7月1日に海洋出版(http://www.kaiyo-chikyu.com/)から『号外海洋60号 サンゴ礁科学研究-IV ―喜界島サンゴ礁科学研究所設立記念号―』が出版されました。
開所以来、2年間にわたり4冊の特集号を出版し、計50編の論文を収録することができました。ご寄稿いただいた皆様、本当にありがとうございました。
これからも喜界島サンゴ礁科学研究所から最新の研究成果をご紹介していきます。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
号外海洋60号
サンゴ礁科学研究-IV ―喜界島サンゴ礁科学研究所設立記念号―
渡邊剛 他「サンゴ礁科学研究の次世代リーダーの育成とサンゴ礁と人類の持続可能な共生関係の構築に向けて」
渡邊剛・山崎敦子「沈みゆくハワイと浮き続ける喜界島のサンゴ礁」
佐々木圭一「喜界島における後期更新世サンゴ礁段丘の区分と分布」
西村裕一・渡邊剛・山崎敦子「喜界島の完新世サンゴ礁段丘地形」
駒越太郎 他「喜界島酸素同位体ステージ3の化石シャコガイ」
中谷里愛 他「喜界島産現生及び化石コマルキクメイシの骨格を用いた海洋同位体比ステージ3における古環境復元」
阿部理・森本真紀・野坂信之「石西礁内に広く分布する黒点の解析とその応用」
岩瀬文人「四国の造礁サンゴ群集」
出羽尚子「かごしま水族館におけるサンゴ展示と研究の取り組み」
木村匡 他「日本における2016年のサンゴ大規模白化現象について:総括」
山野博哉・小熊宏之「画像を用いたサンゴ礁リモートセンシングの最近の展開」
佐藤崇範「サンゴ礁に関する「研究者資料」への科学アーカイブズ学的取り組み」
萩野恭子 他「円石藻Brmaarudosphaera bigelowii研究のこれまで・これから」
加藤亜記「石灰藻サンゴモ類の多様性―生きた石になる海藻の分類と生態―」
山崎敦子・渡邊剛「顕生代の地球環境変動とサンゴ礁」
喜界島サンゴ礁科学研究所 https://kikaireefs.org

新棟完成&タラ号来島!!
2017.4.7-8
鹿児島県サンゴ礁科学研究基盤整備事業により喜界島サンゴ礁科学研究所に新棟が完成しました!この新棟は上から見ると造礁サンゴ(六射サンゴ)をモチーフにした六角形をしています。研究者が昼夜問わず研究できる休憩室のほか、展示やカフェスペースを併設する予定です。みなさんにサンゴ礁に親しんでいただけるようなワクワクをこれからいっぱい詰め込みたいと思います!
4月7日に行われた落成式では大島支庁喜界事務所所長 柳田様、喜界町長川島様、喜界町議会議長外内様よりお祝いの言葉をいただきました。喜界島のみなさん、そして喜界島を訪れるみなさんに愛される建物になりますように。
そして!喜界島にあの素敵なお客様がやってきました!!!
タラ号は4月6日の朝から喜界島沿岸で調査を行い、7日の夕方、早町港に入港しました。完成した新棟のウッドデッキで、はじめてのサイエンスカフェを開催!ゲストはタラ号キャプテンのSamuel Audrainさん、タラ号乗船中のシルバン・アゴスティーニ先生(筑波大学)と北野裕子先生(宮崎大学)でした。サンゴの不思議やサンゴの研究をするようになったきっかけ、タラ号と太平洋プロジェクトの使命をお話ししていただきました。こども研究員や島のみなさんからたくさんの質問が出ました。当日は風もなく穏やかな気温で野外でのサイエンスカフェは大成功。
サイエンスカフェのメニューはお馴染みのサンゴカレーと喜界島サンゴ礁科学研究所に縁のあるハワイやドイツのビール。タラ号のクルーの皆さんにも楽しんでいただけて良かったです!今後もこの“サンゴのいえ”でサイエンスカフェを開催していきたいと思います。
そして次の日はこどもたちとタラ号を見学。早町小、喜界小、喜界中、喜界高からのメッセージもお届けしました!喜界島の子供達からのメッセージはタラ号と共に旅した後、フランスのタラ財団に飾られるとのことでした。
船内で子供達はアートプロジェクトに参加。海のイメージをドローイングしました。子供達が真剣に絵を描く様子はタラ号のウェブサイトでも紹介されていますので、ぜひごらんください!
https://oceans.taraexpeditions.org/en/media-library/photos/
そしてタラ号は喜界島のみなさんかの応援メッセージが書かれた旗をはためかせて出港しました!また世界の海のどこかでタラに会えると良いですね!!!
投稿: 山崎敦子 写真: 藤崎咲子

喜界島サンゴフェス開催!!!
2017.2.11-12
『喜界島サンゴフェス』を開催しました!
サンゴ礁に親しみを持ってもらえますように…。全国各地でサンゴ礁保全に取り組んでいらっしゃるみなさんが来島し、喜界島サンゴフェスが開催されました!
主催: 環境省、鹿児島県、喜界町、喜界島サンゴ礁科学研空所、奄美群島サンゴ礁保全協議会
協力: WWF白保サンゴ村、NPO法人夏花、オーガニックアイランド喜界島、フラダンス「アヌエヌエ」のみなさん、喜界島観光物産協会
ステージでは環境省が取り組んでいるサンゴ礁生態系保全行動計画2016-2020についての紹介と3人の先生による講演がありました。上村真仁先生(筑紫女子学院大学)による石垣島白保集落のみなさんが行った地域でのサンゴ礁保全の活動、岩瀬文人先生(四国 海と生き物研究室)の四国でのサンゴ研究と保全の取り組み、土屋誠先生(琉球大学名誉教授)によるサンゴ礁保全の重要性と沖縄での保全の取組、各地での地域とサンゴ礁の関わり方から、喜界島のサンゴを見守るための重要なヒントをたくさんいただいました。
また会場には喜界島のサンゴを守る無農薬野菜の販売や、展示、星砂探しなど、ご家族で楽しんでもらえるコーナーがたくさん!
研究所の看板も来場者のみなさんにサンゴを貼り付けてもらって完成しました!ありがとうございました!
最後には喜界島のフラダンスチーム「アヌエヌエ」のみなさんにフラダンスを披露していただきました!とても可愛く、美しかったです。
当日は約200名のみなさんにご来場いただき、とても賑やかなイベントになりました。ありがとうございました!
今後もサンゴに親しみを持っていただけるように、サンゴをみなさんと見守っていけるように、研究所は活動していきます。
どうぞよろしくお願いします。
(山崎)
サンゴフェスに関する報道
南海日日新聞(2月12日)
http://www.nankainn.com/weather/喜界島でサンゴフェス
奄美新聞(2月11日)
http://amamishimbun.co.jp/?QBlog-20170211-1&mode=archives&date=201702
南日本新聞(2月23日紙面)
タラ号太平洋プロジェクト2016-2018
タラ号太平洋プロジェクト2016-2018 youtube link
2017.4.6-8 喜界島にタラ号がやってくる!
フランスの科学探査船タラ号は2016年5月にフランス・ロリアン港を出発し、サンゴ礁を調査しながら大西洋・太平洋を横断して、今月ついに、日本に到着しました。
喜界島サンゴ礁科学研究所はタラ号の日本航海のパートナーとして、喜界島でタラ号を迎えます。地球環境変動と広い太平洋のサンゴ礁の中で、喜界島のサンゴにはどんな特徴があるのか、調査の結果が楽しみです。
また喜界島サンゴ礁科学研究所では、タラ号の歓迎イベントを企画しました。こちらもぜひ、ご参加ください!
イベント1: タラ号に手紙を書こう!
期限: 2017年3月中
タラ号へのお手紙ポストを各学校と喜界島サンゴ礁科学研究所に設置します。タラ号の旅の応援やサンゴ礁に関する質問を書いてみよう!みんなの手紙はタラ号の乗船研究者のみなさんに届けます。
イベント2: タラ号の乗船研究者と話そう!サイエンスカフェ&バー
タラ号に乗船しているサンゴの研究者の方に、研究内容やタラ号のプロジェクトについて紹介してもらいます。
2017年4月7日(金) 18:00-19:00
場所: 喜界島サンゴ礁科学研究所 (旧早町小学校)
トーク: シルバン・アゴスティーニ先生(筑波大学)・深見裕伸先生(宮崎大学)
参加費: 500円(ドリンク1杯付き)
研究所のカフェは21:00までオープン予定です。
問い合わせ: 0997-66-0200 (喜界島サンゴ礁科学研究所)

集中講義を開講しました!
2017.2.8 –10
北海道大学大学院共通科目『地球環境史概論』を喜界島にて開講しました。遠く札幌から4名の大学院生が喜界島にやってきました。早朝4時にフェリーではるばるやってくる受講生のみなさんを待っている時間がワクワクしました。
昨年度まで『地球環境史概論』は札幌で開講されており、講義室で講義を聞いてディスカッションを行うものでした。喜界島に拠点ができたので、地球環境変動が作った地形を、学生のみなさんと実際に体感しながら議論できたら面白いだろうな…ということで、今年は初めての学外での開講になりました。
午前中は研究所でコーヒーを飲みながら、講義とディスカッションでサンゴと地球環境の関係について考えたのち、午後は喜界島のサンゴとサンゴ礁地形を実際に観察しながら、地球環境に対するサンゴ礁の実際の応答を見てもらう…という理想の講義が実現しました。
受講生のみなさんはそれぞれ専門がバラバラで、サンゴという生き物について今回、初めてじっくり考えてくれたと思います。そんな中で、分野が違っていても共通する考え方があったり(もちろん、お互いに違いを発見したり)、サンゴ礁の研究に活かせそうなアイディア、研究手法を提案してくれました。さすが大学院生です。少人数だったので、じっくり話をする時間が取れて、私たちも面白かったです。
天気がすぐれなかったですが、ちょっとでもチャンスがあればフィールドワーク!というアクティブな受講生のみなさんでよかったです。(写真を撮った時は本当に風が強かったですね。)
次回は海に入れる季節に開講したいなと構想中です。
『地球環境史概論』は聴講生・科目履修生として一般の方の参加も可能です。喜界島のサンゴと地球環境について考えてみたい方は是非、来年度の参加をご検討ください。詳細は下記をごらんください。お待ちしております。
(山崎)
北海道大学大学院共通授業科目『地球環境史概論』
担当: 渡邊剛・山崎敦子(北海道大学理学研究院)
言語: 日本語と英語のバイリンガル授業
地球は、過去の地質時代において様々な環境の変化や事変を伴うダイナミックな変動を繰り返し、生物は、絶滅と進化を繰り返し現在に至っている。サンゴ礁は、造礁性サンゴを始めとする生物が石灰化を行うことにより形成され、その中に多種多様な生物と豊かな生態系を保持している。以下の命題について、それぞれのキーワードと簡単な解説・喜界島でのフィールドワークをもとにディスカッションとディベートを行い、様々な分野や問題が複合的に絡み合う地球環境史を学ぶための基礎力を養う。
- 現在の地球は温暖化しているか?
キーワード: 第四紀と地球史、人類活動と二酸化炭素濃度、IPCC、観測記録、古気候指標
- 温暖化するとエルニーニョは活発化するか、消滅するか?
キーワード: エルニーニョ現象、過去のエルニーニョ記録、パーマネントエルニーニョとクールエルニーニャ説、エルニーニョの内因および外的フォーシング
- “サンゴ”は二酸化炭素の放出源か吸収源か?
キーワード: 石灰化と二酸化炭素、炭素循環、有機生産と無機生産、風化プロセス
- 温暖化すると北海道にサンゴは到達するか?
キーワード: 地球温暖化と海洋酸性化(大気二酸化炭素濃度と炭酸塩飽和度)、高水温線の北上と低炭酸塩飽和度線の南下、サンゴの適応、過去の水質記録
- 温暖化するとサンゴは方解石を作るようになるのか?
キーワード: 海洋酸性化、アラゴナイトシーとカルサイトシー、海洋組成変化、化石記録
- 富栄養化(海洋汚染)が進行するとサンゴ礁は藻場に交代するか?
キーワード: 栄養塩とサンゴ礁、フェーズシフト、ローカルストレスとグローバルストレス、人類活動とサンゴ生態系
- サンゴと共生藻類の共生関係は将来も続くか?
キーワード: サンゴの適応戦略と進化、過鞭毛藻との共進化、白化現象と過鞭毛藻グレード
- 人間とサンゴは共生すべきなのか?
キーワード: サンゴ礁の資産(水産、観光、居住地)、開発と保護、生物多様性とサンゴ礁
北海道大学理学院 聴講生・科目履修生募集のご案内
http://www.sci.hokudai.ac.jp/graduateschool/entrance/examinee/

謹賀新年2017
あけましておめでとうございます。
喜界島サンゴ礁科学研究所は昨年、皆様に支えられて1周年を迎えることができました。ありがとうございました。
今年も研究所が皆様の”ワクワク”の舞台となりますように。
喜界島から世界に向けて、ワクワクするサイエンスを発信していきます。
2年目もどうぞ宜しくお願い致します。
喜界島サンゴ礁科学研究所

喜界島サンゴ礁科学研究所ハワイ支部調査報告2
サンゴダイブ、ハワイ島沖その2
もしも、この世界にサンゴがいなければ、陸上に生物はいなかったかもしれない。最近、僕はそういうことを子供や大人達に話をすることがあります。いくつかの大人たち、専門家や研究者は、何を大げさな、この人サンゴが好きすぎておかしくなったのかも、と眉をひそめるかもしれません。
でも、広大な世界の海のいたるところ、砂漠地帯の沿岸から熱帯の孤島に至るまで、サンゴが造り出すサンゴ礁という生物多様性の基盤(サンゴの家)を確認するとき、僕はそう思ったりするのです。そして、それは、ハワイ島沖の水深1キロの世界に、噴出してからそう時間の経ってない火山岩の上にポツリポツリと育ち始めるサンゴを認めた時にもやはり思ったことでした。マグマという生物にとっての死の世界から様々な生き物に溢れる生の世界への変換点。仲の悪いハワイの火の神さまと海の神さまの間には、サンゴ(ハワイ語でコア)という生物の神様がいるのかもしれないと思いました。
渡邊

早町小学校と共同研究を始めました!
サンゴ水槽設置!
早町小学校にサンゴ飼育水槽ができました。サンゴが育つ環境ができあがるのをゆっくり見守りながら、飼育するサンゴの種類を増やしていきたいと思います。早町小のみなさんと一緒に、サンゴがどんな生き物か、どのように大きくなっていくのか、そしてサンゴが喜界島を作るにはどれくらいの時間がかかりそうか…など観察から考えていきたいです。
協力: Dr. Intan Suti Nurhati (LIPI, Indonesia)

サンゴダイブ、ハワイ島沖その1
水深1000メートルの世界はいきなり巨大サメとのご対面でした。普段サンゴ以外はあまり目に入らないことに”なっている”僕の目にも否応なく飛び込んできました。
Thinking of the uplifting island, Kikai-jima, from the sinking islands of Hawaii; 沈みゆくサンゴ礁(ハワイ諸島)から浮き続けるサンゴ礁(喜界島)を考える
という命題を抱えてのハワイ生活ですが、ハワイ島沖での深海サンゴ探索ダイブ。狭い潜水艇の小さな窓の外に広がる未知の深海の世界、マグマの出口であるホットスポットのほぼ直上のハワイ島の海底にはマグマと海の交わりの歴史が造る壮大な眺めがありました。そしてそこに負けずに生息している種々のサンゴ。考えさせられるものがありました。少々ハワイを侮っていたかもしれません。
ハワイに古くから伝わる、火の神さまペレと海の神さまナマカオカハイの戦い、その物語の意味と続きを考えてみたいと思いました。続きはまた後日。
渡邊

サンゴ礁サイエンスキャンプ2016にご参加くださった皆様へ
今年もサンゴ礁サイエンスキャンプにご参加、応援を頂き、ありがとうございました。
無事に全ての日程が終了し、こども研究員のみなさんと笑顔で解散できたことを本当に嬉しく思います。
今回は昨年の夏に続いて、研究所に再び訪れてくれたこども研究員も多く、よりお兄さん、お姉さんらしく成長し、調査や研究発表をする姿を見て感動しました、また、今年新たに、こども研究員となったみなさんとの出会いも大変素晴らしいものでした。今年は島外からの参加者が約半数となり、遠い喜界島まで飛行機や船でやってきただけでも大冒険だったと思います。海外から駆けつけてくれた方々もいました。全国のこども研究員がまた喜界島に、研究所に帰ってきてくれるのを楽しみに待っています。
また、こども研究員をキャンプへ送り出してくださった、ご家族のみなさん、ありがとうございました。お子さんたちのたくさんの笑顔と一生懸命研究に取り組む姿は私たち研究者にとっても大変、励みになりました。サンゴ礁サイエンスキャンプがお子さんたちの良き思い出、記憶に残り、キャンプ中の出来事が一つでもお子さんたちの将来に役立つ時が来たら、とても嬉しいです。
今回も、サンゴ礁サイエンスキャンプはとても多くの人に支えられて開催することができました。
研究所に各地から終結した大学の先生方・学生のみなさん、遠く北海道から運営をサポートしてくれたみなさん、キャンプ中に応援に駆けつけてくださった海洋実習及び調理ボランティアのみなさん、後援してくださったみなさん、そしてキャンプの運営スタッフおよび研究所のスタッフ&スタッフのOGのみなさん、本当にありがとうございました!!!!!
サンゴ礁サイエンスキャンプはまた来年も開催する予定です。
日程は2017年7月31日(月) ~ 8月4日(金)を予定しております。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
喜界島サンゴ礁科学研究所
理事長 渡邊剛
所長 山崎敦子