サンゴの日 ーサンゴとアートのおまつりー

2024年3月2日〜3日 サンゴの日 〜サンゴとアートのおまつり〜

今年のテーマは「サンゴ・わたし・未来」

私たちは自然とどのように生活し、共生していくのか。約10万年前に誕生し、サンゴ礁ができては隆起を繰り返してできた奇跡の島、喜界島を舞台に、”サンゴ”を象徴として、自然と対話するお祭りを開催いたします。

今年のサンゴの日のスペシャルゲストはハープ奏者の彩愛玲さん。お祭りの期間中、島の各所で演奏をしていただきます。

喜界島の子供達による喜界島の太古の人々の暮らしを振り返るプラネタリウムの上映、作曲家・藤枝守氏による喜界島の海とサンゴの化石から生まれたAudio-Visual Work 「Coral Patterns /珊瑚文様」、喜界島の人々と語りあう喜界島みらい会議、全国から選ばれた未来の建築家たちによる喜界島建築フィールドワーク成果発表などの企画が盛りだくさん。

3月2日の夜は「サンゴまつり」として喜界島の中と外のアーティストにより、サンゴ礁への歌と踊りの奉納をおこないます。

喜界島にぜひお越しください🪸✨

プログラムはこちらに随時、更新します!

【イベント情報】サンゴの日〜サンゴとアートのおまつり〜

【イベント情報】サンゴの日〜サンゴとアートのおまつり〜

3月5日(サンゴの日)はサンゴへの想いをアートで表現しよう!「サンゴ」をテーマに豊かな未来について考え、みんなで発信しましょう。喜界島には島内外からサイエンティストとアーティストが集まり、さまざまなパフォーマンスやイベントが島の中で開催されます。

喜界島サンゴ礁科学研究所では、これまでにも科学とアートを組み合わせたイベントを実施し、サンゴ礁や喜界島の魅力を発信してきました。今回のイベントはサンゴの日に併せて、これまで一緒に活動してきた研究者やアーティストの方々が喜界島に集まり、みなさんと一緒に「100年後に残す」未来について考える日をつくります。

〈イベント詳細〉

○お神輿・サンゴの家づくり
冒険家・石川仁さんにご指導いただき、草を束ねて家を作ります!果たしてどんなものが出来上がるでしょうか?
・日時:3/4、3/5終日
・場所:中間集落
・参加費無料、途中参加、解散可

○人形劇 Pohadky 
ヨーロッパを中心に世界で活躍している人形劇師・沢則行さんが喜界島に来島し公演をおもないます。また、お面作りのワークショップも予定されています。
・日時:3/4 13:30〜14:30
    3/4 14:00〜15:00
・会場:Funky Station SABANI
・入場無料、予約受付中。当日参加も大歓迎です。お面作りのワークショップは中間公民館で行われます。詳しくはサンゴ研までお問い合わせ下さい!

○テントサウナ
喜界島にサウナがやってくる!喜界島の植物を使った癒しの空間をお届けします!
・日時:3/5 15:00〜18:00
・会場:中間集落
・参加費500円

○写真家・大杉隼平さん来島
これまで喜界島で何度も撮影を行なってきた大杉隼平さん。今回は喜界島フォトコンテスト2022の特別審査員として喜界島にいらっしゃいます。フォトコンテストの受賞式では観光物産協会会長やサンゴ研理事長との特別対談も予定されています。さらに今回写真教室も行っていただけることになりました!
・日時:3/4 10:00〜写真教室① ※要予約
      17:00〜写真教室② ※要予約
    3/5 16:00〜表彰式
・場所:喜界町コミュニティホール他

そしてお祭りのフィナーレは3/5(日) 18:30〜中間集落でサンゴ祭りを行います!
草で制作するお神輿のパフォーマンスやキャンプファイヤー、BBQ、そして島のアーティストによる音楽のパフォーマンスも盛りだくさん!参加アーティスト:
シンガーソングライターでウルトラランナーのコーダイさん、ピアニストのあやのさん、唄者の東郷さやかさん

その他BBQやキャンプファイヤーなども計画しています。
ふらっと立ち寄って、音楽を聴いたり、火を眺めたり、BBQを楽しんだり、そんな夜にしたいと考えています。

島内・島外からのご参加も大歓迎です!
イベントに関するお問い合わせは喜界島サンゴ礁科学研究所(0997-66-0200)までお待ちしております。

当日は SNSで#サンゴとアートのおまつり を付けて皆さんの作品や思いを発信しましょう!

2023年度 サンゴ塾 レクチャーコース募集開始

2023年度 サンゴ塾 レクチャーコース募集開始

KIKAI College サンゴ塾では2023年度の新規受講生を募集しています。
ご応募詳細はこちらから>>>https://college.kikaireefs.org/2023_lecturecourses/

〈サンゴ塾レクチャーコースとは〉
サンゴ塾は喜界島サンゴ礁科学研究所に付属する教育プログラムKIKAI Collegeの中で、小学生〜高校生を対象としたプログラムです。
サンゴ礁が隆起してできた世界的にも希少な自然を持つ喜界島を拠点に、国内外のサンゴ礁研究者との連携を活用したレクチャーや実習を行い、次世代の地球環境リーダーの育成に取り組んでいます。本物の自然の中で、第一線で活躍する研究者と共に研究を実践し、自然の多様性や科学と社会のつながりを学び、感性とコミュニケーション能力を育成します。

令和3年度から国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のジュニアドクター育成塾に採択されています。

レクチャーコースでは月に一度、大学や研究機関に所属するサンゴ礁の研究者(メンター)による講義があります。メンターはみなさんに伝えたいサンゴ礁や自然の素晴らしさ、研究の面白さ、最先端の研究についてお話してくれます。
また、研究とは何か?不思議を発見する力を育てるためのワークショップを開催します。
さらに希望者は夏休みと春休みにフィールドワークに参加できます。夏休みは喜界島に全国のサンゴ塾生が集まり、メンターと実際に研究チームを組んで、研究計画を実践します。春休みは国内外のサンゴ礁に出かけ、1年間で膨らんだ不思議を自分の目で確かめます。

第10回環境省グッドライフアワード「10周年特別賞 ロングライフ賞」受賞

この度、喜界島サンゴ礁科学研究所は、これまで喜界島での取り組み『サンゴ礁から学び「100年後に残す」ことを目指した将来の人材と地域の創造』が評価され、第10回環境省グッドライフアワード「10周年特別賞 ロングライフ賞」を受賞いたしました。これまで、わたくし共が喜界島において実践してきた研究、教育活動をはじめ、多くの方々と取り組んだ様々な活動をこのような形で評価いただけたことは大変嬉しく、光栄に思います。このような素晴らしい賞をいただくことができましこと、皆様のご指導、ご支援の賜物と心より感謝しております。今後も、この賞の名に恥じないよう、喜界島サンゴ礁科学研究所では「100年後に残す」理念の下、様々な活動に取組んで参ります。引き続きのご支援、何卒よろしくお願い申し上げます。


環境省は、環境に優しい社会の実現を目指し、日本各地で実践されている「環境と社会によい暮らし」に関わる活動や取組を募集して紹介、表彰し、活動や社会を活性化するための情報交換などを支援する「グッドライフアワード」プロジェクトを進めています。このプロジェクトでは、毎年「環境と社会に良い暮らしを実現する取組」を行う団体や自治体を総合的に評価し、表彰する取組を行っています。

新年あけましておめでとうございます

2021年、喜界島サンゴ礁科学研究所はたくさんの新たな出会いとチャレンジに恵まれ、さらに7年間を支え続けていただい皆様との絆を感じた1年でした。

また今年は次世代を担うみなさんのパワーが凄まじく、一緒に失敗を繰り返しながらも、ものすごいスピードで前進ができました。研究所が若いみなさんと一緒に代謝を繰り返しながら成長していく生き物の様に感じました。そんな勢いを感じてくださった方、いつも見守り、応援してくださる皆様に心より感謝を申し上げます。

2022年も予定が盛り沢山です!

感じる:喜界島で得た感覚(センス)を持って新しいフィールドに出会うこと

見つける:世界中のフィールドや海で人と自然のあり方の共通点と違いを発見すること

伝える:KIKAI College、サンゴキャラバンで場所や世代を問わず100年後を語り合い、次のアクションへ繋げること

残す:喜界島サンゴ図鑑と喜界島サンゴ礁科学研究所特集号の出版

しかし、予想される未来はすでに超えることのできる未来です。実際にはそれを超える発見や出会い、チャレンジが待っていると思います。

皆様の2022年が素晴らしい年になりますように。そして喜界島サンゴ礁科学研究所が皆様の素敵な日々を実現する場所となりますように。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


2022年元旦喜界島サンゴ礁科学研究所—-2022年の幕開けは1/8-10のサンゴキャラバン@鹿児島マルヤガーデンズです!喜界島の人と自然を共に見つめてくださった大杉隼平さんの写真展!宮崎大学深見先生による喜界島サンゴ図鑑を使ったサンゴの分類レクチャー!そして100年後を語り合うための演劇集団百年座!が鹿児島天文館に行きます。楽しい新年を皆様と迎えられますように。

写真は大杉隼平さん撮影していただいたKIKAI College生たちです

【イベント情報】札幌・鹿児島 サンゴキャラバン開催決定

KIKAI Collegeが全国の都市をまわって仲間を探すプロジェクト”サンゴキャラバン”

第4弾 札幌と第5弾 鹿児島の開催が決定

サンゴキャラバン クリスマスエキスポ in 札幌

第4弾はクリスマスに喜界島から約2600kmを渡り札幌へ!

■日時:12月25日(土)・12月26日(日) 9:30~17:00

■場所:北海道札幌市小金湯温泉 “アイヌ文化交流センター サッポロピリカコタン”

    <オンライン配信有>

↓チケット予約・購入はこちらから!↓
https://sangocaravan-xmasexpo.peatix.com/

 


☆プラネタリウム☆ 

喜界島の民話、アイヌの神話をもとに喜界島とアイヌ、そしてサンゴ礁をつなぐプラネタリウム”アンソロポリウム”を上映


☆演劇☆ *オンライン配信有

サンゴ研では異分野の研究者間のコミュニケーションや、研究成果の還元に「演劇」を用いる試みを行っています。

平田オリザ氏に監修していただき、研究者・劇作家・喜界島の島民・大学生が分野を超えて協力し制作した演劇「喜界島inパラレルワールド」をバージョンアップして札幌でも上演。

演目:『貴界ヶ島三ツ巴民譚』『ウル神様は突然に』『自殺したい男』『サンゴの味方、ヒトの味方』

どれが上演されるかはお楽しみに…!


☆サイエンストーク☆ *オンライン配信有

北海道大学 アイヌ・先住民文化センターの加藤博文教授が「島の文化と環境」をテーマに講演。

さらに、サンゴ礁科学、文化人類学、考古学の研究者が「サイエンス×アート」についてそれぞれの視点から語りまくる!

スピーカー:加藤博文(北海道大)・渡邊剛(北海道大)・後藤明(南山大)


☆コンサート☆ *オンライン配信有

アイヌと喜界島の音のコラボレーション「スペシャルライブ」

出演:結城幸司(アイヌ・アート・プロジェクト)、川畑さおり(シマ唄唄者)


子供から大人までみんなで楽しめる内容となっております。

喜界島の雰囲気を感じながら私たちと一緒にクリスマスを楽しみましょう!

 
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そして第5弾は再び鹿児島へ!

サンゴキャラバン ニューイヤーエキスポ in鹿児島

■日時:1/8(土)~1/10(月)

■場所:鹿児島県鹿児島市 天文館 マルヤガーデンズ

テーマは”サンゴ礁×アートの祭典”。

未来を担う子どもたちにサンゴ礁を体験してもらうサイエンスとアートを織り交ぜた企画、写真家 大杉隼平さん撮影の喜界島写真展、喜界島の物産展などを開催予定。

乞うご期待!

 

【札幌・鹿児島のサンゴキャラバンのご協力してくださる方募集中】

・演劇”喜界島inパラレルワールド”に出演してくださる方

演劇制作を通して、私たちとともに過去から現在までの地球や未来に残る価値について考えませんか?

他にもイベント運営に協力してくださる方、イベント開催に協力してくださる企業様を募集しております。

ご協力いただける方はpr@kikaireefs.orgまでご連絡ください!お問い合わせは喜界島サンゴ礁科学研究所まで。

 

テラコヤプラスでKIKAI collegeが紹介されました!

塾・予備校・家庭教師・通信教育・オンライン塾・オンライン家庭教師など、学びのサポート事業をおこなっている「テラコヤプラス」でKIKAI collegeが紹介されました。

机に向かって学ぶだけの学習では、学力は伸ばせても、“自ら学ぶ意欲”を刺激するのは難しいかもしれません。自発的に学ぶ人になって欲しいから、子どもが感じた疑問や深く知りたいことを、時間をかけて突き詰めていく体験をKIKAI collegeでは提供をしています。

NPO法人「喜界島サンゴ礁科学研究所」は子どもの研究者を募集中!本格的な研究体験できるプログラムとは

「テラコヤプラス」ウェブサイト(外部サイト)https://terakoya.ameba.jp/

2021年は23人のこども研究員が誕生!

2021年は23人のこども研究員が誕生!

『サンゴ礁サイエンスキャンプin喜界島』開催報告

2021年8月5日から12日間にわたり夏休みのフィールドワークプログラム「サンゴ礁サイエンスキャンプin喜界島」を開催しました。全国から様々な分野の研究者と、小中高校生23名が喜界島サンゴ礁科学研究所(以下、サンゴ研)に集いました。

ジュニアコースでは、5つの班にわかれ、調査、実習、研究を行い、最終日には各班ごとに成果をまとめた研究発表を行いました。アドバンスドコースでは、世界各地の研究者の講義を受けながら、参加者一人ひとりの関心があるテーマについて研究を行ないました。また、2021年は一部の講義や研究発表会をオンラインで配信するなど新たな形でも展開をしました。

23名のこども研究員が誕生した『サンゴ礁サイエンスキャンプ』の様子を、メンター補として全面的にサポートをした大学生・大学院生が報告します。

※サンゴ礁サイエンスキャンプの実施は、サンゴ研独自のガイドラインを作成し、参加者のみなさまにご協力をいただき、実施しています。

ジュニアコース

小学校3年生以上を対象としたジュニアコースでは、5つの班に分かれて調査、実習、研究を行い、最終日には各班ごとに成果をまとめた内容を発表しました。

■ 昔のサンゴ礁調査隊 メンター:駒越太郎
私たちは、「陸に上がった昔のサンゴ礁の当時の環境を想像してみる」をテーマに、サンゴ化石の調査を行いました。苦労して採取した化石には、それぞれ愛着も芽生えたようで、図鑑やインターネットでサンゴの種類の同定に熱中していました。過去の環境を予想するということには少し難しさを感じている様子でしたが、図鑑の説明文や地図、段丘の時代背景について組み合わせて考えることで、サンゴの種類や年輪幅などから縄文時代のサンゴ礁環境を考察することができました。発表直前にみんなで決めた発表タイトル「『時を駆ける』うみぼうずハンターズ」には、彼らが体験したタイムスリップの楽しい思い出が込められています。(文責:内山遼平(北海道大学大学院理学院))

■ What are the challenges of living on the reef? (サンゴ礁生態学班)
私たちのグループは、ハワイビーチや佐手久の海岸に行き、サンゴ礁の観察や調査、気になった生き物を採集し、研究所に持ち帰りました。調査後、自分達が描いた絵や図鑑、捕まえた実物を見て、ハワイビーチ(潮溜まり)と佐手久(入江)に棲む生き物の違いと環境の違いを議論しました。
私たちのポスターは、デジタルでの作成となったのでパソコンの使い方など苦戦する面もありましたが、最後には全員が納得のいくポスターが出来上がりました。キャンプの開講式のときは、静かでお互いに恥ずかしさが見えた子供達でしたが、キャンプが終わるころには年齢がバラバラなのにも関わらず、兄弟のように仲良く話していたり、先生や学生メンターとも楽しく会話をし、一体感が生まれました。(文責:吉田桃英(James Cook University)、山本リラ(国際基督教大学))

■ サンゴ礁にすむ生き物調査隊  メンター:白井厚太朗
白井厚太朗先生のご指導のもと、「サンゴ礁にはどのような生き物がいるのか調べてみよう!」というテーマについて5人の小学生、中学生、高校生が取り組みました。私たちは、ハワイビーチや塩道でスノーケルをして生き物を採集したり、ビーチで砂を採取したりしました。それらを持ち帰り、漂白剤で生き物を溶かして骨格を見たり、砂を顕微鏡で観察したりして、サンゴ礁の環境の違いによって棲んでいる生き物の種類がどのように違うのかを考察しました。海のフィールドでは無邪気に遊んでいるように見えた子供たちでしたが、研究所に戻って生き物を観察しているときには真剣な様子に変わっていていたことが驚きでした。ポスターに研究をまとめる際にも、みんなで分担して発表をしていたことからも良いチームワークだったと思います。(文責:島田姫由(立教大学)、伊藤広起(国際基督教大学))

■ サンゴの島の考古学調査隊 メンター:松原信之
考古学班は、喜界町埋蔵文化材センターにお邪魔し、喜界島の遺跡から出土した貝殻や遺物などを調べました。その後、手作り竿をもって実際に磯へ出かけて貝拾いと釣りを行い、当時の生活の再現と遺物との比較をしました。さらに自分たちで石器を作り、釣った魚をさばくところまで行いました。最終日の発表ではポスターの他に演劇で昔の生活を再現しました。演劇は、現代の考古学者が当時としては貴重だった鉄を古代に売りに行くという設定。しかし昔の人はそこにあるもので豊な暮らしをしていたことに気づかされます。発表を演劇にすることで学びをインプットでき、チームワークも高まり投票では見事優勝!喜界島の考古の魅力は尽きません。(文責:椛島賢斗(KIKAI College)

■ 喜界島のウナギの寝床調査隊  メンター:脇谷量子郎
「喜界島の淡水環境に生息する生き物を調べる」がテーマのさかな班。顔合わせでは緊張が漂い少し心配でしが、そんな心配が瞬く間に吹き飛びました。海洋実習では海を泳ぎ回り、「〇〇がいた!」と次々に魚やサンゴの名前が飛び交いました。午後は淡水に住む生き物を探しました。皆の目標は体長約1mの”オオウナギ”。炎天下の中探し回るも見つからず諦めかけたその時、貯水池からオオウナギが姿を現しました!これにはみんな大興奮。しかし、見つけただけで終わらないのが研究です。オオウナギに追跡調査を行うための処置をして放流したのち、今回発見した生き物の特徴について議論しました。脇谷先生や学生メンターのしつこい”なんで?”という質問にも喰らい付き、最後は自分たちで自信を持って”発見”と言えることを見つけ、力を合わせてポスターにまとめることができました。(文責:小山都熙(北海道大学大学院理学院))

アドバンスドコース

研究者が研究計画を用意したジュニアコースとは異なり、アドバンスドコースではメンターの講義を受け、参加者自らがテーマを考え、議論を交わし約1週間の期間で行う研究テーマを決め、調査、研究を1週間にわたり実施しました。

参加者は自身の興味関心を整理し、限られた期間の中でできる研究方法を検討しテーマを決め、喜界島のフィールドへと飛び出しました。研究テーマは、「喜界島の淡水魚・野草・ヤコウガイ・化石・サンゴ礁」といった自然から、「集落の湧水・お墓・島に伝わる妖怪」など、喜界島の特性を活かした多分野にわたる魅力的なテーマが生まれました。参加者たちは日々フィールドと研究所を行き来し、メンターの指導を受けながら研究を進めました。そしてコース6日目には研究成果のプレゼン発表会がありました。参加者達は研究の手法だけではなく、自ら研究テーマを決めてフィールド調査するには多くの時間が必要なこと、一つ疑問を解決するとまた次の疑問がうまれてくることなど、研究の醍醐味を体験できたようです。中学〜大学生までが熱く議論を交わしたアドバンスドコース。若者たちの成長が眩しい1週間でした。(文責:駒越太郎)

研究者の卵たち、学会発表に向けて邁進します!

喜界島で自然を感じながら様々な知識を吸収し、自分たちで問題意識を持って考えて行動する。子ども達の吸収力と行動力そして成長には驚かされる毎日でした。子ども達と一緒に過ごした私たちも、研究の楽しさと面白さを再確認する熱い1週間となりました。
今回のサイエンスキャンプでは新発見も多くありました。研究成果は2021年11月に開催される日本サンゴ礁学会で発表します。この夏、喜界島に集まった研究者の卵たち。彼らの成長と発見からまだまだ目が離せません。

最後に参加者および保護者の皆様、そして研究指導や講義を行なっていただいた研究者のみなさまに改めてお礼を申し上げます。

【実施概要】
サンゴ礁サイエンスキャンプin喜界島

<コース>
●ジュニアコース
期間:2021年8月5日〜9日
対象:小学校3年生から中学校3年生まで

●アドバンスドコース
期間:2021年8月5日〜16日
対象:高校生・サンゴ塾生

<ご協力をいただいたメンターのみなさま>

ジュニアコース メンター
駒越太郎(喜界島サンゴ礁科学研究所)
白井厚太朗(東京大学大気海洋研究所)
松原信之(喜界町埋蔵文化センター)
加藤博文(北海道大学アイヌ・先住民研究センター)
脇谷量子朗(東京大学大気海洋研究所)
*研究サポート
Frederic Sinniger(琉球大学熱帯生物圏研究センター)

アドバンスドコース メンター
田中健太郎(東京大学大気海洋研究所)
樋口富彦(東京大学大気海洋研究所)
松田博貴(熊本大学大学院先端科学研究部)
山崎敦子(九州大学大学院理学研究院/喜界島サンゴ礁科学研究所)

レクチャー
渡邊剛(北海道大学理学研究院/喜界島サンゴ礁科学研究所)
「サンゴ礁地球環境学」

佐野有司(高知大学 海洋コア総合研究センター)
「魚類の耳石を用いた回遊履歴の復元」
「シャコ貝の殻を用いた海洋環境情報の復元」
「太古代の海洋堆積物から生命の起源を議論する」

松田博貴(熊本大学大学院先端科学研究部)
「喜界島はどうやってできたのか?〜喜界島の地質と地史〜」

田中健太郎(東京大学大気海洋研究所)
「サンゴ骨格を利用して海洋の環境変動を過去に遡って推定する研究」

樋口富彦(東京大学大気海洋研究所)
「サンゴ礁におけるプラスチックごみ問題」

後藤明(南山大学人文学部)
「ディズニーアニメからも学べる南太平洋の人類学」

山崎敦子(九州大学大学院理学研究院/喜界島サンゴ礁科学研究所)
「サンゴ礁は海のオアシスか?」

北野裕子 (国立環境研究所 生物多様性領域)
「イシサンゴの分子系統および集団遺伝」

Samuel Kahng (University of Hawai’i)
「Coral Reef Ecology」

主催:喜界島サンゴ礁科学研究所
後援:伊仙町、世論町教育委員会
協力:日本航空株式会社、日本エアコミューター株式会社、一般社団法人セブン・イレブン記念財団

もっと学びを深めたい方は・・・

サンゴ塾 〜地球環境リーダー育成塾〜 2021年度プログラム開講
2021年度から文部科学省・JSTのジュニアドクター育成塾の⼀環として、全国の大学・研究機関に所属するサンゴ礁研究者によるフィールドワークとレクチャーシリーズを実施します。

第4回喜界島リーフチェックを実施しました!

2021年8月25日、今年で4年目になる喜界島でのリーフチェック(*世界でおこなわれている科学者と市民ダイバーによるサンゴ礁のモニタリング調査)。今年も440歳を越える荒木集落沖のご長寿ハマサンゴの周辺を調査しました。

今年は新型コロナウイルス感染症対策のため、喜界島サンゴ礁科学研究所とヨネモリダイビングサービスのスタッフでのみでの調査とを行いました。
当日は波も穏やかでボートから覗く海底はまるで手が届きそうなほど海は透き通る調査日和でした。

調査では、生態系の状態を知るために、魚類、底生生物、底質チームに分かれ、二人組のバディを組み、海底にはられた側線に沿って調べました。毎年同じ場所で調査することで、環境の変化を把握することができます。

今回の調査では白化しているサンゴ群体は見られず、浅場・深場どちらの水深ともに海底に占める有藻性サンゴ(造礁サンゴ)の割合は昨年2020年と比較して大きな変化はありませんでした。
また、底質の調査ではどの属のサンゴが多いかをカウントしたところ、この海域ではハマサンゴの仲間が多いようでした(サンゴの3割くらい)。この豊かな海の中のサンゴたちがいつから喜界島にいるのか、そして未来に残るのか、海中のサンゴ礁の調査と、陸上の化石の調査と合わせて、今後も研究を進めていきます。(駒越)

7/31開催「奄美の海のいきもの博士になろう」~サンゴキャラバン with かごしま水族館~

この夏は“喜界島サンゴ礁科学研究所 KIKAI College”と”いおワールド かごしま水族館”がコラボレーション

親子でオンラインでも参加できる夏休みイベント『奄美の海のいきもの博士になろう ~サンゴキャラバン with かごしま水族館~』を7月31日13時から開催します!

 

夏休みを迎えるみなさんに向けて、奄美の海の面白さや魅力をお伝えします。

喜界島サンゴ礁科学研究所 渡邊剛先生が、”奄美のサンゴ礁と地球環境”をテーマにサンゴの不思議や奄美でのサンゴの研究についてレクチャーします。

さらに、かごしま水族館 藤井琢磨先生が、奄美の海のいきものの面白さや関連の水族館の展示について紹介します。

大学生・大学院生による自由研究の相談会など盛りだくさんの内容になっています。

 

手持ちのスマートフォンやパソコンを通して全国からご参加いただけます。

海・いきものが好きな方は世代関わらずご家族でご参加ください。

夏休みに入り自由研究・課題研究のテーマや進め方に悩んでいる方にとっても、材料の詰まったイベントです。

皆様のご参加お待ちしています。

 

この夏は、鹿児島・奄美の海について知り尽くそう!

『奄美の海のいきもの博士になろう』

サンゴキャラバン with かごしま水族館

 

7月31日 13:00~15:00

参加費無料

 

参加方法は3つ!

 

① かごしま水族館 現地参加  ※先着6組限定、水族館への入場料が別途かかります

イベント参加後水族館探検しよう!博士に直接会えるチャンス!

 

② Zoom 

オンラインを通して直接質問できるよ!

 

☆現地参加・Zoom参加の方は下記URLからお申し込みください☆

https://forms.gle/Rn4ZJ63Sq8nkYrNY6

 

 

③ YouTube 配信 https://www.youtube.com/watch?v=RQDYSz-s9io

「サンゴキャラバン かごしま水族館」で検索

日本各地どこからでも参加可!

 

 

<コンテンツ>

■ レクチャー

☆渡邊剛 先生

(北海道大学 / 喜界島サンゴ礁科学研究所)

テーマは”奄美のサンゴ礁と地球環境”

奄美のサンゴ礁の研究所でどんなことをしている?

☆藤井琢磨先生(かごしま水族館)

“奄美のいきものはおもしろい!”

かごしま水族館ならではの展示も紹介

 

■ そうだ、大学生にきいてみよう! 

大学生がこれまでのおもしろい体験や研究についてお話しします。

かごしま水族館探検でわかった水族館の隠れた一面や奄美での活動を紹介

大学生になんでも質問をぶつけてみよう!う!

 

■ 自由研究相談コーナー

夏休みの宿題といえば自由研究…

博士・大学生に自由研究のことを相談してみよう!

海のおもしろい研究や研究テーマを教えてくれるかも?

 

 

お問い合わせは、喜界島サンゴ礁科学研究所まで。

さんごの島喜界島で研究者と地域が共創し共生するコミュニティカフェ 「サンゴCAFE」2021年7月10日から夏季限定オープン!

喜界島サンゴ礁科学研究所(鹿児島県喜界町 理事長:渡邊剛)が運営をする「サンゴCAFE」と「サンゴM MUSEUN」がリニューアルし、2021年7月10日から夏季限定の営業を開始します。

「サンゴCAFE」は、弊所に関わる研究者や、喜界島の人々がサンゴCAFEに集まり、出会いと交流が生まれる場をコンセプトに、研究者と喜界島にゆかりのある国や地域のフードやドリンクを提供するコミュニティカフェです。2021年は、アーティスト×サイエンティストの融合と発進拠点として「サンゴMUSEUM」もリニューアルして、夏季限定(9月末までを予定)の営業を開始します。

2021年は、弊所に関わる大学生らが様々なアイディアを出しながら展示やメニューの開発を担当しました。

サンゴMUSEUMでは、これまでにも弊所の活動を応援いただいている、写真家の大杉隼平さん撮影による喜界島の写真の展示や、活動の成果をご覧いただける空間になっています。

サンゴCAFEでは、北海道の富良野で生まれたご当地カレーのオムカレーや、ハワイのライオンコーヒー、喜界島の花良治(けらじ)みかん緑茶のほか、日替わりメニューなどの提供を予定しています。

また、プラスチックストローの廃止や、調理する際に出る生ゴミや茶がらを堆肥化(コンポスト)するなど、環境配慮への取り組みも進めてゆきます。

夏休みの旅行や帰省で島を訪れる方や、弊所が8月に開催を予定しているイベントなどで、研究者や子供たちなど多くの人が弊所に集まってきます。こうした人たちの交流の場としてはもちろんのこと、「100年後に残す」という弊所の理念に触れられることを形にする場として、今年も営業をしてゆきます。

【営業時間】毎週土曜日・日曜日11:00-15:00(14:30ラストオーダー)※9月末までの予定

【メニュー】オムカレー(700円)、ハワイライオンコーヒー(400円)、花良治みかん緑茶(400円)、シークー紅茶(400円)、など

【Instagram】https://www.instagram.com/sangocafe/

【住所】〒891-6151 鹿児島県大島郡喜界町塩道1508
喜界空港から車で20分、喜界空港から巡回バスあり(「塩道」下車)

●サンゴの家について

「研究者・旅人・ローカルが出会う場所」

海の中では、サンゴ礁に多くの生物が集まり、多様な生態系を作ります。

研究所が運営するサンゴの家は、ロッジ[宿泊]、CAFÉ[飲食]、MUSEUM[研究]、フリースペース[イベント]が合体した、サンゴ礁のような役割を持つ交流の場です。研究所、住民、旅人がサンゴの家に集うことで、出会いと交流が生まれることをめざしています。

喜界島サンゴ礁科学研究所は7周年を迎えました。

本日7月8日、喜界島サンゴ礁科学研究所は7周年を迎えました。

「100年後に残す」を理念に、そして研究所を支え関わってくださる皆様の合言葉としてこれまで活動を続けてまいりました。

私たちの活動に共感いただき、ご支援くださる多くの皆様のおかげで、今の研究所の姿があることに感謝いたします。

これからも喜界島という素晴らしいフィールドで、「研究」「教育」「普及」を軸に地域に根ざした学びの場から、地球環境課題を解決するグローバルな人材の育成に取り組んでゆきます。

引き続きご支援くださいますようよろしくお願い申し上げます。

NPO法人 喜界島サンゴ礁科学研究所 職員一同

速報!まるでスノードーム、喜界島でサンゴの大産卵を確認

2021年7月1日(木)午後10時ごろ、喜界島サンゴ礁科学研究所の研究員が喜界島の東部、花良治集落の海岸で、枝状のサンゴ「スギノキミドリイシ」の一斉産卵を確認しました。

サンゴの産卵は春から初夏の満月の前後に比較的高い確率で見られる命の営みです。2020年の 6月12日にも同じポイントでサンゴの一斉産卵を確認しており、サンゴの産卵が確認された日の月齢は両年とも20.7と同じでした。

海の中は一面のスギノキミドリイシのバンドルが星空のように広がり、産卵後の波打ち際はサンゴの匂いがただよい、ビーチに打ち寄せる波はサンゴの卵で淡いピンク色に染まるほどでした。2020年の 6月12日にも同じポイントでサンゴの一斉産卵を確認しています。

多くのサンゴは年に1度だけ産卵を行い、同じ種類の多くの群体が同調して産卵することによって、多量の子孫を残す繁殖戦略を取っています。

喜界島の方々からは、昔から海で前が見えないほどのサンゴ産卵があったとお話を伺ったことがありましたが、これまで産卵の記録としてデータは残されていませんでした。地道な観察と記録を残していくことが、喜界島のサンゴ礁の形成や将来に豊かなサンゴ礁を残すのに大切なことを理解する上で大切です。 弊所では、サンゴ礁研究・保全のフィールドに拠点がある強みを生かしたモニタリングや研究活動をこれからも続けていきます。

ジュニアドクター育成塾 鹿児島県の機関では初の選定! KIKAI collegeジュニアドクター制度 受講生の募集を開始

2021年度からJSTジュニアドクター育成プログラムの一環として、サンゴ礁とその地域での研究の種を発見する1年間のコース「KIKAI collegeジュニアドクター制度」を新たに開設

喜界島サンゴ礁科学研究所(鹿児島県喜界町 理事長:渡邊剛)は、科学技術振興機構(JST)が科学技術の発展を牽引する人材育成を支援する「ジュニアドクター育成塾」において、鹿児島県では初となる機関として、2021年5月18日に選定されました。 
ジュニアドクター育成塾は、科学技術のイノベーションを牽引する傑出した人材の育成に向けて、理数・情報分野の学習等を通じて、高い意欲や吐出した能力を有する小中学生を発掘し、能力を伸ばすことを目的とした支援制度です。
実施機関は全国で30機関、主に国立大学や高校専門学校で実施されるプログラムとなっており、弊所は鹿児島県では初、またNPO法人としては2機関目の選定となりました。 本プログラムにおいて弊所では、喜界島という類稀なるサンゴ礁の海のフィールドで、フィールドワークを行うほか、地球環境をテーマに様々な分野の研究者のレクチャーを受講生には受けてもらいます。そして、1年間のプログラムを通じて、課題の発見、理解、研究計画の立案、学会における研究発表をゴールに、さまざまな課題を分野にとらわれずに複合的に解決する力を持つ人物の育成を目指してゆきます。 
本プログラムの選出にあたり、喜界島サンゴ礁科学研究所所長山崎敦子は、「私たちは参加者の皆さんに全国の第一線のサンゴ礁研究者から、サンゴ礁研究の聖地と呼ばれるフィールドである喜界島で学び、地球環境課題をグローバルに牽引する人材になってくれることを期待しています。」とコメントをしています。 
私たちは本プログラムを通じて、サンゴ礁複合科学を通じた、地球環境課題を解決する次世代イノベーターの育成と輩出を今後5年間の支援を通じて目指してゆきます。 
「KIKAI collegeジュニアドクター制度」特設ウェブサイトhttps://college.kikaireefs.org/jr-doctor/

KIKAI college ジュニアドクター制度

■対象:小学校5年生~中学校3年生 

■募集定員:一般選抜30名、奄美群島選抜10名 合計40名 

■登録料:3万5千円 

■参加要件:

  • 1ヶ月に1回程度、所定の場所またはオンラインで行われる講義に参加できる 
  • 自宅のパソコンまたはタブレット端末でのオンラインアクセスが可能である(カメラ付きでzoom等のビデオ会議システムが使用可能なネットワーク環境が整備されていることが必須となります。スマートフォンは不可とします。) 
  • 喜界島および奄美群島で実施される夏休みと春休みのフィールドワークのどちらかに参加できることが望ましい(参加できない場合にはオンラインでの代替プログラムを受講できます) 

■応募期間: 一次募集 2021年6月16日(水)~6月23日(水) 二次募集 2021年6月23日(水)~6月30日(水) 三次募集 2021年6月30日(水)~7月7日(水) ※一次募集の段階で定員に達した場合は、二次募集以降はいたしません。

 ■プログラムスケジュール

サンゴ礁サイエンスキャンプ(2021年8月開催) メンターとなる研究者とともに、  ジュニア4泊5日、アドバンス11泊12日でサンゴ礁とそれを取り巻く環境を観察・体験する。 サイエンスキャンプウェブサイト https://college.kikaireefs.org/camp/


レクチャー(2021年8月~2021年12月開催) メンターにより、各界の共通の地球環境課題をテーマとして、分野横断的な講義を行う。各都市で4回開催し、現地またはオンラインにて参加可能。 


フィールドワーク(2022年3月開催) 「セミナー」「研究レクチャー」を通して、課題を発見した上で新たに研究計画を立てて挑むフィールドワーク。 そのほか詳しいスケジュールなどは特設サイトをご覧ください。 

※)ジュニアドクター育成塾(外部サイト)https://college.kikaireefs.org/jr-doctor/

実験水槽で飼育されていたコユビミドリイシが産卵しました

2021年6/10(木)21:30ごろ、喜界島サンゴ礁科学研究所の実験水槽で飼育されていたコユビミドリイシが産卵しました。

喜界島の自然下のサンゴたちより一足早い産卵だったようです。産卵から約3時間後にはさっそく発生が始まり、小さな命の力強さを感じました。

今はまだ小さなサンゴたちですが成長し形成していく骨格は、長い年月をかけてサンゴ礁の地形を形作っていきます。

研究所ではこのサンゴの赤ちゃんたちが周囲の環境に応じて、どのように骨格をつくっていくのかを研究しています。

未来のサンゴ礁を形作るサンゴたちの骨格の不思議を少しずつですが解明していきたいと考えています。(サンゴは研究のため特別に許可を得て採取しています。)

サンゴ礁科学の最新情報が詰まった季刊誌をリニューアル! 『KIKAIREEFS〜人とサンゴと地球の未来〜』

記念すべきリニューアル号は、写真家大杉隼平さんによる撮り下ろし写真を表紙に、スペシャル対談など「サンゴの島で出会う」を切り口に様々な特集を展開しています。
KIKAIREEFS 14号カバー

喜界島サンゴ礁科学研究所(鹿児島県喜界町 理事長:渡邊剛)は、サ ンゴ礁科学の最新情報や研究成果などをお伝えする情報誌 『KIKAIREEFS〜人とサンゴと地球の未来〜』を、本日6月8日の世界 海の日(World Oceans Day)に合わせリニューアル発行しました。

KIKAIREEFS は、喜界島サンゴ礁科学研究所の研究成果や活動の他、 弊所に所属する研究者や学生によるコラムを掲載している無料の季刊 誌(年4回発行)です。大人から子供まで、サンゴや研究について知 識がある人もない人も楽しめる内容になっています。

リニューアル号となる KIKAIREEFS14 号では、写真家の大杉隼平さん による撮り下ろし写真を表紙に、冊子デザインはデザイナーの山下由香里さん、編集は本研究 所に関わる研究者や学生など多くの方の協力によって作られました。

そして、大杉さんと理事長渡邊によるサイエンス×アートのスペシャル対談や、礼文島と喜界 島で文理の枠を超えたコラボレーション研究の報告、そして研究者による最新の研究成果やレ ポートなど、「サンゴの島で出会う」を軸に様々なテーマのコーナーを展開しています。

リニューアルにあたり、喜界島サンゴ礁科学研究所所長山崎敦子は、「私たちは、希少な自然環 境と豊かなサンゴ礁生態系に囲まれた奄美群島・喜界島で、人と地球が共生する方法を最先端 のフィールドサイエンスと、それを活用した次世代の教育により探求し、日本及び世界に向け て発信をしています。私たちの理念である「100 年後に残す」を目指し、研究所に集う人たち の活動を 100 年後にも残せるように、KIKAIREEFS にはそんな想いが込められた私たちからの 未来への手紙です。」とコメントをしています。

KIKAIREEFS は、特設サイトよりご登録いただいた方へ無料で配信をしています。過去から現 在の地球環境の記録が詳細に閉じ込められている喜界島を研究拠点とし、研究や教育などの私 たちの活動をぜひ知っていただき、ご支援・応援ください。

【ヘッドライン】
KIKAIREEFS 〜人とサンゴと地球の未来〜 14号 「サンゴの島で出会う」

  1. スペシャル対談 喜界島で出会った科学者と写真家。“本物”の“記憶”を100年後にに残す。 (写真家 大杉隼平さん×喜界島サンゴ礁科学研究所理事長 渡邊剛)
  2. MIRAI Project Lab 海と時間を超えて、北と南の島が出会う
  3. KIKAI College Note みらいのサンゴ礁に出会う
  4. Sangology(サンゴロジー)私とサンゴの関係 深海にもあるサンゴ礁 研究者による寄稿 コーナー/Research REPORT 研究の成果をご報告
  5. Check! #サンゴ研 喜界島サンゴ礁科学研究所の活動報告
  6. INFORMATION お知らせ

■『KIKAIREEFS』について

喜界島サンゴ礁科学研究所では、会員やメールでご登録をいただいた皆様に年4回ニュースレターをお送りしています。こちらよりご登録後、特設サイトから購読いただけます。

地球温暖化によってアラビア海の湧昇流が弱まっている

〜造礁性サンゴ骨格で復元した過去1,000年間の古気候記録から発見〜

ポイント         

・現生・化石サンゴの骨格から,アラビア海の1,000年前〜現在の海水温・塩分変動を復元。

・近年のアラビア海の湧昇流は過去1000年前と比べて弱まっている。

・この湧昇流の弱化は,近年のインド洋の急激な温暖化とインド亜大陸の緩やかな温暖化に起因。

概要                    

北海道大学大学院理学研究院及び喜界島サンゴ礁科学研究所,総合地球環境学研究所の渡邊 剛講師,九州大学大学院理学研究院及び喜界島サンゴ礁科学研究所の山崎敦子助教,北海道大学大学院理学院博士後期課程の渡邉貴昭ら(執筆当時)の研究グループは,過去1,000年間と比べて現在のアラビア海の湧昇流が弱まっていることを発見しました。 インド洋の夏季モンスーンによって発生するアラビア海の湧昇流は,深層の海水を海洋表層へ輸送しています。このときに輸送される海洋深層の低海水温及び富栄養な海水は,海洋表層の生態系や周辺の気候に大きな影響を与えます。 渡邊講師らの研究グループはアラビア海産の造礁性サンゴ*1の酸素安定同位体比*2やSr/Ca比*3(ストロンチウム/カルシウム比)を分析し,1,000年前から現在までの海水温・塩分変動を復元しました。その結果,近年の湧昇流は過去1,000年間と比べて弱くなっていることを解明しました。 このアラビア海の湧昇流の弱化傾向は,インド洋周辺の気候や漁業に影響をもたらすことが予想されます。 なお,本研究成果は, 2021年5月24日(月)公開のGeophysical Research Letters誌に掲載されました。
インド洋周辺の温暖化傾向
地図上の赤色地域では急速に温暖化しており,黄色地域では緩やかに温暖化していることを示す。地図上の星印はサンゴ試料を採取したマシラ島を示す。

【背景】

 インド洋では,季節によって風向きと強さが変わるモンスーンが重要な気象要素の一つです。アラビア海では,インド洋からインドに向かって吹く夏季モンスーンによって湧昇流が毎年発生します。湧昇流は,海洋深層から海洋表層へ冷たい海水や栄養塩を運ぶため,周辺の気候や海洋生態系に重大な影響をもたらします。

これまでの研究では,近年の地球温暖化によってユーラシア大陸がインド洋よりも急速に温暖化し,夏季モンスーンとアラビア海の湧昇流は強くなると考えられていました。一方で,実際の観測記録はインド洋が他地域よりも急速に温暖化しており(p.1.図),夏季モンスーンは弱化している可能性もあります。アラビア海における湧昇流の強弱傾向を検証するためには,海水温や栄養塩,塩分などの連続した観測記録が必要です。

しかしながら,本海域における長期的な海洋観測データは非常に限られており,過去から現在までの湧昇流の強弱傾向を明らかにすることは困難でした。そこで本研究では,過去の環境変化を月単位で復元できる造礁性サンゴ骨格を用いて,過去1,000年間におけるアラビア海の海水温・塩分変動を復元し,湧昇流の強弱傾向の変遷を復元しました。

【研究手法】

研究グループは,2016年にアラビア半島・オマーン国南部のマシラ島(p.1.図)で海岸に打ち上がった造礁性サンゴ群を発見し,このサンゴ群(化石サンゴ)および現生サンゴを研究室に持ち帰りました。化石サンゴにウランートリウム年代測定*4を用いたところ西暦1167〜1967年に生息したサンゴであることがわかりました。造礁性サンゴの骨格には樹木のように年輪が刻まれており(図1),過去の大気・海洋の環境変動が1週間〜1ヶ月間程度の細かい精度で記録されています。

本研究では,2週間に相当する年輪ごとに区切って化学分析(酸素安定同位体比,Sr/Ca比)を行いました。さらに,サンゴ骨格中に記録された化学組成の変化からわかる塩分変動をもとに,過去の湧昇流の強さを復元しました。

【研究成果】

現生の造礁性サンゴ骨格試料から復元した塩分変動を解析したところ,アラビア海の湧昇流が発生した際に,海洋表層の塩分が低下していることがわかりました(図2)。これは,湧昇流によって深層から表層へ塩分が低い海水が湧き上がってくるために,サンゴが生息する海洋表層の塩分が低下することを示しています。また,塩分の低下幅は湧昇流の強さと相関していることがわかりました。

この結果をもとに,西暦1167〜1967年に生きていたサンゴの記録と比較しました。

同様に,西暦1167〜1967年に生きていたサンゴ群(化石の造礁性サンゴ骨格試料)から塩分変化を復元したところ,現生サンゴから得られた記録と同じく,湧昇流が発生する季節に塩分低下が記録されていました(図3)。さらに,湧昇流の強度を示す塩分指標の低下幅を算出したところ,近年は過去1,000年間に比べて著しく小さいことがわかりました。

これは,「近年にかけてアラビア海の湧昇流は強くなる」というこれまでの仮説とは逆に,「近年のアラビア海の湧昇流は弱化傾向にあった」ことを示唆しています。

本研究で明らかとなったアラビア海の湧昇流の弱化傾向は,近年のインド洋における急激な温暖化とインド亜大陸における緩やかな温暖化(p.1.図)によって夏季モンスーンが弱化していることに起因すると考えられます。

【今後への期待】

本研究では造礁性サンゴ骨格を用いて古環境復元を行うことで,近年のアラビア海の湧昇流が弱化傾向にある証拠を世界で初めて発見しました。アラビア海の湧昇流は現在も続く温暖化に対して弱まり続ける可能性が高く,今後もインド洋周辺の気候や漁業に対して広く影響を及ぼすことが予想されます。

論文情報

論文名 Corals reveal an unprecedented decrease of Arabian Sea upwelling during the current warming era(造礁性サンゴ骨格が記録した近年の温暖化時代におけるアラビア海の湧昇流の弱化) 著者名 渡邉貴昭1,2,3,渡邊 剛2,4,5,Miriam Pfeiffer 3,Hsun-Ming Hu 6, Chuan-Chou Shen 6,     山崎敦子2,4,71北海道大学大学院理学院, 2喜界島サンゴ礁科学研究所,3キール大学,4北海道大学大学院理学研究院,5総合地球環境学研究所,6台湾国立大学,7九州大学大学院理学研究院) 雑誌名 Geophysical Research Letters(地球科学の専門誌) DOI 10.1029/2021GL092432 公表日 2021年5月24日(月)(オンライン公開)

お問い合わせ先

北海道大学大学院理学研究院 講師 渡邊 剛(わたなべつよし)

TEL 011-706-4637   FAX 011-706-4637   メール nabe@sci.hokudai.ac.jp

URL https://www.sci.hokudai.ac.jp/~nabe/

NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所広報担当 山本亜沙美(やまもとあさみ)

T E L  0997-66-0300     F A X  0997-66-9335     メール pr@kikaireefs.org

 URL https://kikaireefs.org/

九州大学大学院理学研究院 助教 山崎敦子(やまざきあつこ)

TEL 092-802-4194   メール  yamazakiatsuko@geo.kyushu-u.ac.jp

URL https://kyushucrees.com

配信元

北海道大学総務企画部広報課(〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目)

TEL 011-706-2610   FAX 011-706-2092   メール jp-press@general.hokudai.ac.jp

 NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所広報部門(〒891-6151喜界町大字塩道1508)

T E L  0997-66-0300    F A X  0997-66-9335    メール  pr@kikaireefs.org

総合地球環境学研究所広報室(〒603-8047 京都市北区上賀茂本山457番地4)

TEL 075-707-2450   FAX 075-707-2515   メール kikaku@chikyu.ac.jp

九州大学広報室(〒819-0395 福岡市西区元岡744) TEL 092-802-2130   FAX 092-802-2139   メール koho@jimu.kyushu-u.ac.jp


図1. 本研究に使用した造礁サンゴのエックス線写真
白黒一対の年輪が見られる。赤線に沿って化学分析を実施した。図中の矢印はサンゴ骨格の成長方向,黒色またはグレー色のスケールバーは5cmを示す。
図2. 現生サンゴから得られた記録とアラビア海マシラ島周辺の塩分の深度分布
(a) 上図は衛星による海水温観測記録(黒線)とサンゴ骨格に記録されたSr/Ca比(赤線;海水温を反映),下図は鉛直混合の深さ(黒線;湧昇流のような深層と表層の海水循環を示す指標)とサンゴ骨格から復元した海水の酸素安定同位体比(青線;塩分を反映)を示す。(b) 赤線と青線はそれぞれ夏季と冬季の塩分の深度分布を示す。海洋表層では,冬季よりも夏季の塩分が低くなる(黒矢印)。水深200m程度の深さにある低塩分の海水が夏季の湧昇流によって湧き上がるために,海洋表層の塩分が低下する。
 

【用語解説】                                                                                                     

*1 造礁性サンゴ … サンゴの中でも,体内に褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる藻を共生させることで骨格の成長速度を速めている造礁性サンゴのこと。造礁性サンゴは,共生している褐虫藻が光合成で得たエネルギーを利用することで,骨格の成長速度を速めている。造礁性サンゴの骨格は炭酸カルシウムからなり,樹木の年輪のような骨格を形成する。この年輪に沿って化学分析を行うことで,1週間〜1ヶ月程度の細かい精度で古環境を復元できる。サンゴの死後,骨格が化石として保存されるため,サンゴが生きていた時代の古環境を復元できる。

*2 酸素安定同位体比 … 酸素には質量数16,17,18の3つの酸素安定同位体比が存在する。造礁性サンゴなどの炭酸カルシウム骨格は質量数16の酸素に対する質量数18の酸素の割合(酸素安定同位体比)が骨格形成時の水温や海水の酸素安定同位体比(塩分指標)に依存することが知られている。このため,海水温のみに依存する他の指標(例えばSr/Ca比)と組み合わせて検証することで海水の酸素安定同位体比(塩分指標)を復元できる。

*3 Sr/Ca比 … 造礁性サンゴ骨格中の陽イオンはほとんどカルシウムイオン(Ca2+)であるが,ごくわずかに別の元素も含まれている。たとえば,ストロンチムイオン(Sr2+)が造礁性サンゴ骨格に取り込まれる割合は,骨格形成時の海水温に依存することが知られているため,骨格中のSrとCaの比を検証することで,過去の海水温を調べることができる。

*4 ウランートリウム年代測定 … サンゴ骨格中のウランおよびトリウムの放射性同位体を用いた年代測定法。サンゴ骨格に取り込まれたウラン同位体がどれほどトリウムへと放射改変したかをもとに年代を推定する。

英語版プレスリリース(北海道大学)はこちらからご覧ください。
Research Press Release|June 04, 2021
Corals tell Arabian Sea story of global warming
Coral insights into 1,000 years of seasonal changes in the Arabian Sea warn of significant impacts caused by global warming.

READYFOR株式会社と連携し、遺贈寄付の相談受付開始

 喜界島サンゴ礁科学研究所では、READYFOR株式会社の「レディーフォー遺贈寄付サポート窓口」と連携し、遺贈寄付の相談受付を実施いたします。 

弊所では「100年後に残す」という理念のもと、研究を持続的に発展させ、その成果を世界に共有し、人材育成・教育・普及を通じて将来より良い未来を残していくために活動してきました。

その中で、誰もが行動をおこすことのできる研究所作りにご参加・ご支援いただくため、寄付の受付を行ってまいりました。

*弊所の寄付受付に関してはこちらをご覧ください >>>>> https://kikaireefs.org/donation/

 READYFOR株式会社は、日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」を運営しており、様々な社会的な活動との関係性を構築している企業です。

 今回の「レディーフォー遺贈寄付サポート」では、弊所をはじめ、環境・教育・医療・国際協力など幅広い分野で活動するNPOや大学を、寄付先団体としてご紹介くださるほか、約2万件の社会活動を支援してきた経験を活かし、専任のコンサルタントが遺贈寄付に関するご相談に応じてくださいます。

今後、READYFOR株式会社と連携し、これまで以上に多くの方に安心して寄付を検討いただけるよう努めてまいります。

皆様の想いの詰まった研究所作りにご支援・ご参加をお願いいたします。

レディーフォー遺贈寄付サポート窓口

■ 詳細ページ https://izo.readyfor.jp/

■ お電話でのご相談・資料請求
☎︎ 0120-948-313(通話料無料)
受付時間:平日10:00〜17:00(年末年始を除く)
*お問合せの際は、「喜界島サンゴ礁科学研究所のサイト」で見たとお伝えください。

 

 ■ オンラインでのご相談・資料請求

  以下のお問合せフォームをご記入のうえ、お問合せください。

 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSclBfcsMWj07VSyh0vz0jUBe2k1zSQZFneUUkLNoQiQBPlGYA/viewform

サポート窓口へは何度でも無料で相談可能となっておりますので、お気軽にご相談ください。

小野津のビーチクリーンを開催しました!

喜界島のキレイな海を守るために、これからのウミガメの産卵シーズンに合わせてウミガメが安心できる海をつくるために、研究所と集落の皆さん合同でビーチクリーンを実施しました。

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 こんにちは!ビーチクリーンを企画した研究所のインターンの椛島です。

出身大学は立教大学の文学部とサンゴにはあまり関係がありませんが、海が好きで環境問題について考えてみたくてビーチクリーンの企画を担当させてもらいました。

環境保護に興味があるといっても、ビーチクリーンの参加や企画は初めての経験。

雨予報もありみなさんに集まっていただけるか不安でしたが、当日の朝、ビーチでは青空の中たくさんの人に参加していただきました。

 

ウミガメが産卵に上がることもある小野津ビーチ。

ブイや発泡スチロール、ペットボトルなどの漂着物であふれていて、綺麗な海が台無しの状態でした。

 

漂着物の中には注射器などの医療用品も!

 

どこの地域からどのような経緯で流れてくるのでしょうか?

たくさんあったゴミもみんなで拾えばあっという間!

子どもから大人まで30人以上の方に協力していただきました。

世代関係なしにきれいな島を大切にする姿が喜界島の良さなんだなと感じました。

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若い人と研究者とアーティストと。

サンゴ礁の海辺で様々な人が集まり交流する。

私が喜界島に来て2週間くらいですが喜界島の魅力や研究所の役割が分かってきたような気がします。

今回は喜界島PR動画作成の一環として写真家の大杉隼平さんにも参加していただき島を想うみなさんの姿を撮影していただきました。

映像の完成が楽しみです!

ゴミがだいぶ集まってきた頃、ビーチクリーンのもう一つのテーマとして漂着物調査を実施しました。

普段から海岸清掃をされている冨さんのインストラクションのもと、ペットボトルのラベルにあるバーコードの数字を見てどこの国のペットボトルかを調べていきます。

 

皆さんどこの国が多いと思いますか?

 

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結果は、

ラベル無し:412

日本:20

中国:271

台湾:3

韓国:16

ベトナム:2

マレーシア:1

香港:1

小野津に漂着するペットボトルの約半分は中国産のものという結果になりました。

日本が予想以上に少なかったので驚きましたが、漂着物は風や海流の関係で季節ごとに変わってくるそうです。

日本から生まれるペットボトルが他の国の生き物やビーチの迷惑になってないといいですが。

皆さんもビーチの漂着物のバーコードをチェックしてどこの国からきているか調べてみてください!

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時にはヨーロッパ産のものもみられるそうですよ。

また、ビーチクリーンをしているとこんなかわいいものを見つけることも!

漂着物の仕分けを終え、ごみの分別も終え、小野津の海岸はすっかりきれいに。

最後は皆さんで記念に一枚!

なんて表現すればいいのだろう?    海だけでなく心がすっきりした感じがあります。

みなさんご参加ありがとうございました!

みなさんに協力していただいて楽しく清掃活動ができたほか、漂着物やイベント企画など多くのことを学べたビーチクリーンになりました!

今後も定期的に海岸清掃と漂着物調査を続けていきたいと思うので、皆さんのご協力よろしくお願いします!

文責 椛島賢斗 (インターンシップ生)

オンラインセミナー ”サンゴ礁の現在と将来予測” Q & A

オンラインセミナー ”サンゴ礁の現在と将来予測” Q & A

1/8にオンラインセミナー「サンゴ礁の現在と将来予測」が開催されました!

講師に山野博哉先生(国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター センター長)をお招きしました。

そのセミナー後に受講者のみなさまからたくさんのご感想や質問が寄せられました。

寄せられた質問を講師の山野先生に答えていただきました!

ぜひご覧ください!

(セミナー受講者のみなさま、アンケートのご協力ありがとうございました。)

セミナー概要

オンラインで開催したセミナーには、65名の皆さまにご参加いただきました。

渡邊理事長との対談のあと、山野先生からサンゴ礁の成り立ちと生態系の変化、地形や堆積物、リモートセンシングを用いて調べ、過去から現在、そして未来のサンゴ礁がどのように変化していくのか、これまでに山野先生のご研究で分かってきたこと、そして奄美のサンゴ礁の重要性についてもお話しいただきました。

徳之島の南部に住んでおり、島の方々(とくに大人)にサンゴ礁がどんなところであり、大事にしたいものだという事を知ってほしいと思っています。現在は少しずつですが、小中学校等で海岸の観察会や話をさせていただくようになりました。

Q. 島民の方々と一緒に楽しくできる保全活動について何か良い事例はご存知ですか?
A.

保全活動ですが、一つはサンゴの状況のモニタリングだと思います。

奄美群島は熱帯と温帯の中間に位置しているので、サンゴの分布地として面白いところですし、またサンゴがこれから変わっていく重要な場所と考えられます。

今の状況や、もし白化が起こった場合など、非常に重要な情報になると思います。

コーラルウォッチなど、手軽にサンゴの健全度を調べるやり方もあります。

また、陸と海はつながっているので、陸に目を向けることも必要ではないかと思います。

徳之島は農地が多く、私が訪問したときに赤土が流出している状況も目にしました。

圃場整備の問題もあるので農家の方々が悪いわけではないのですが、農地へのグリーンベルトの植栽など、赤土流出を防止する活動も重要だと思います。

養殖したサンゴの移植が各地で行われていますが、クローンである場合や実際にはあまり根付いていないという問題があるなど、否定までは行かずとも色々なご意見を聞きます。

Q. クローンサンゴの養殖、移植について、山野先生の考えを教えてください。
A. 

サンゴを移植して定着したとしても、その範囲は限られています。

ですので移植すればすなわちサンゴ礁の生態系が再生されるわけではありません。

ただ植えれば良いというものではなく、移植したサンゴがちゃんと定着して育ってくれるかは、環境をよく調べて、サンゴが元いた場所、サンゴが育ちやすい場所などを選定する必要があります。

さらに、そこが再生すると産まれた卵が他の場所にたどり着きやすい場所(幼生供給基地となる場所)など、全体への波及効果も慎重に考えて移植は行うべきだと思います。

親群体を採取してそれを分割すると確かに多様性は下がりますが、現在はサンゴの受精卵を採取して育ててから移植するという方法が確立されつつあり、ある程度の多様性が確保された状態で移植する苗が準備されていると思います。

そうした方法で準備されたものを移植するのが良いと思います。

月1くらい房総半島で潜っているので、図鑑を参考にサンゴを認識してみたいと思います。

Q. 日本のサンゴが分かる図鑑などはありますか?
A.

サンゴ図鑑に関しては、無料のものとしては、例えば以下のものがあります。
日本の有藻性イシサンゴ類

モーリシャスの事故について興味がありました。

Q. 今回の調査は賠償金についての査定にも影響するのでしょうか?
A. 

これに関しては、わからないというのが正直なところです。

査定に関しては、我々の調査とは別のところで進んでいると思います。

水温の上昇により南のサンゴ種が北上しているとのことですが、

Q. 北上ではなく、もともとの地域で深い方に生息域が移動することはないのでしょうか?
A. 

深い方への生息域の移動は、ありえるとは思いますが、どこまでも分布拡大できるわけではありません。

サンゴには光が必要で、水深が大きくなると光が届かなくなるからです。

ただ、最近では、深場(水深40-60mぐらい)でもサンゴがいる場所が見つかってきていて、そこは水温上昇の影響を受けにくいため、そこから卵が産まれて浅いところのサンゴを回復させている可能性が指摘されています。

深場のサンゴについては、アクセスしにくい(ダイビングで行けない)ので、まだ実態がわかっていません。

深場のサンゴの役割やその変化は、今後重要な課題だと思っています。

Q. 高温に強いサンゴの褐虫藻を、高温により白化しているサンゴに共生させることはむずかしいのでしょうか?
A. 

サンゴが白化することによって高水温に強いタイプの褐虫藻を獲得しているという仮説があります。

この仮説の通りである場合もそうでない場合もあるようで、まだ結論は出ていないと思います。

従って共生させることができるかどうかもまだわかっていない状況だと思います。

移植なども含めサンゴへの介入は必要に応じて行うことを検討することは良いと思いますが、まずは自然界でそうしたことが起こっているかを確かめてから、人工的に共生させるなどの介入を慎重に考えるべきだと思います。

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2/20(土) “サンゴ礁文化フォーラム”開催 YouTube配信実施!

喜界島サンゴ礁科学研究所・喜界町役場・公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、サンゴ礁とともに生きてきた人々の伝統文化に注目し、そこから海との共存のヒントを見つけ、地域活性化・文化継承・サンゴ礁保全に結びつけるため、「サンゴの島の暮らし発見プロジェクト」を進めてきました。

『サンゴ礁文化フォーラム』では、本プロジェクトの集大成としてプロジェクトで明らかになった島の様々なサンゴ礁文化と、それを保存していく取り組みを紹介します。

また、同じサンゴ礁文化が残る沖縄県石垣島白保集落との交流や写真家大杉隼平さんと制作した喜界島PR動画の初お披露目も予定しています。

『サンゴ礁文化フォーラム』の様子はYouTubeにて配信します!

皆さまぜひご覧ください!

【 サンゴ礁文化フォーラム 】

 

日時:2021220() 13:00~16:15

場所:喜界町役場ホール +  YouTube配信

主催:喜界町役場、環境省、喜界島サンゴ礁科学研究所

協力:WWFジャパン

 

↓プログラム内容を一部ご紹介します↓

■喜界島紹介と喜界島PR動画お披露目

■サンゴの暮らし発見プロジェクトとサンゴ礁文化の紹介

■喜界島阿伝サンゴの石垣保存会紹介

■喜界島荒木盛り上げ隊の活動紹介

■早町小学校サンゴ学習発表

■アオサンゴ群生と協議会の紹介

■石垣島白保のサンゴ礁文化と活動の紹介

■白保集落×喜界島 サンゴ礁文化意見交換会

■サンゴの歌 土岐宏大スペシャルステージ

 

☆フォーラムの様子はYouTubeより皆様ご覧いただけます☆

https://youtu.be/8T75Yl6nlBI

世界的にも稀少な隆起サンゴ礁から成り立つ喜界島では、サンゴ礁と人がともに暮らし、サンゴ礁文化と呼ばれる独自の文化が生み出されてきました。

人々の暮らしとサンゴ礁生態系の劣化・サンゴの減少には密接な関わりがあるにもかかわらず、近年両者の間には隔たりが広がり、人々の関心も離れ始めています。

そこで環境省はサンゴ礁生態系保全行動計画2016-2020を策定し、そのなかで「地域の暮らしとサンゴ礁生態系のつながりの構築」を重点的に取り組む対策の一つとしました。

そこで私たちは「サンゴの島の暮らし発見プロジェクト」を立ち上げ、サンゴ礁文化の掘起しワークショップ、サンゴ礁文化資源マップの制作、そして、地域の人たちが主体的 にこうした取り組みを継続していく支援活動などを行ってきました。

『サンゴ礁文化フォーラム』では、本プロジェクトの集大成としてプロジェクト成果や今後の展開などを発表します。

お問い合わせは喜界島サンゴ礁科学研究所まで!

KIKAI College サンゴ塾 特別講義 講師:上村真央さん

115日にKIKAI College サンゴ塾(オンライン)で講師に上村真央さんをお招きして特別講義が開催されました。
 
上村真央さんは現在沖縄でヨガと瞑想のインストラクターをされており、2018年・2019年にパドルボードの世界大会である”Molokai2Oahu” (モロカイチャレンジ)でカテゴリー別優勝をされています。
☆”Molokai2Oahu”についてはこちらの動画をご覧くださいhttps://www.youtube.com/watch?v=VpMLxxUsyrY
 
特別講義では渡邊理事長やサンゴ塾生との対談を中心に、沖縄と喜界島の海の違いや好きなことを追求することでみえてきたことをお話しいただきました。

 

特別講義の際の上村真央さん(左)と渡邊理事長(右)

今回の滞在や以前喜界島の海に入られた時に感じられた沖縄と喜界島の海の違いとして、

「サンゴのいる場所」をお話しされました。喜界島の海は、陸とサンゴのいる場所・その先の深い海が沖縄より近く感じるそうです。

 

渡邊理事長からは、沖縄は礁嶺と呼ばれる地形が沖にあること、喜界島は島全体がサンゴ礁が隆起してできていることからこのような違いが感じられるのではないかと、島や地形の成り立ちについて説明がありました。

 

また、喜界島は島を歩くだけでサンゴの自然な違いを感じられることが不思議だったと上村さんはお話しされていました。

その後、世界一過酷な海峡横断レースと言われるモロカイチャレンジやパドルボードについてお話しいただきました。


ここでは、サンゴ塾生からは競技や練習方法に関する質問が寄せられました。


上村さんからの「どんな練習が必要だと思う?」という問いに対して、サンゴ塾生からは「筋トレ」「漕ぐ練習」「持久力」という答えがありました。


上村さんは体を鍛える練習も必要だけど、天気予報を使って流れと風を読めるようになる、海を感じて風や波に合わせて動けるようになる練習も必要だとおっしゃっていました。

時には命の危険も感じるレースでも上村さんが挑戦するのは、「海が好きで、海を渡ることで陸では出会えない世界に出会えるから」だそうです。

渡邊理事長から「今も昔も、変わっていく環境下で危険なこともあるが、ヒトは島を渡ってきた。それはどうしてだろう?」という問いかけがありました。

 

サンゴ塾生からは「面白そうだから」「楽しみだから」という意見がありました。

 

これを受けて上村さんは、

「海が好きで、海を感じることが好きで、毎日違う姿を見せる海を感じると、もっと先の海を知りたいと思う」

「無理はしない範囲でちょっとずつ勇気を積み重ねることで、当たり前だったことが変わり、世界が広がる」

とご自身の経験から考える海を渡る理由をお話しされました。

 

渡邊理事長は「研究と似ていて少しずつ発見を積み重ねるとやめられなくなり、結果それが大きな発見につながる」というお話もありました。

怪我や挫折を繰り返しながらも、上村さんが競技を続けてきたのは「うまくいかないときにしか気づかないことがあって、そんな時こそ成長できる」と感じられるからだそうです。

 

上村さんのお話を通して、「好き、知りたい、やりたい、楽しい」という想いを大切に、夢中を貫き通すことで自分自身が成長し磨かれていくのだと考えさせられました。

 

上村さんと渡邊理事長による特別講義の様子は後日YouTubeにて公開予定です。

ぜひこちらもご覧ください!

 

次回はぜひ上村さんと一緒に海を感じて、また海の面白さや楽しさをお話ししたいです。

今回は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 

(文責:小山都熙)

年末のご挨拶

 

1229日〜13日まで研究所は年末年始のお休みをいただきます。

2020年の終わりを穏やかに迎えることができ、研究所の活動にご参画いただいた皆様、ご支援をいただいた皆様に感謝を申し上げます。

本当にありがとうございました。

 

研究所はおかげさまで6周年を迎え、多くのチャレンジの年になりました。その中で分かったことは離島にあっても多くの皆様と繋がることができること、想いを共有し、アクションを起こすことができるということでした。

 

私たちの合言葉となった「100年後に残す」は困難を乗り越える原動力ともなっています。

来年は研究所がみなさんの集合場所の役割を果たし、100年後に向けたたくさんのfusionを生み出す場として活動していきたいと考えています。また皆様と一緒に次の未来を考える機会を楽しみにしております。

 

良いお年をお迎えください。

来年も喜界島サンゴ礁科学研究所をよろしくお願い申し上げます。

 

 

令和2年1228

喜界島サンゴ礁科学研究所

日本サンゴ礁学会第23回大会 大会参加報告

20201121日から1123日まで日本サンゴ礁学会第23回大会が開催されました。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、初のオンライン開催でした。

○ 口頭発表

ZOOMで行われた口頭発表では、渡邊理事長・山崎所長に加え、北海道大学渡邊研究室の博士課程1名・修士課程1名がそれぞれ最新の研究成果について発表しました。

本大会ではKIKAI Collegeのカレッジ生2名もこれまで行ってきた研究の成果を口頭発表しました。研究内容に自信をもって発表し、研究者の方々からの質問にも自分なりの意見をしっかりと応える姿は一段と輝いて見えました。常に挑戦・成長し続ける2人からこれからも目が離せません!

☆ 津田和忠くん(カレッジ生・喜界高校3年生)

「今回の学会は僕にとって初めての口頭発表でした。昨年は札幌でポスター発表を行ったのですが、それとは異なる難しさを感じました。一流の研究者の方々に囲まれてとても緊張しましたが、これから先自分も立派な研究者になりたいと改めて考えることができる良い経験でした」

☆ 日吉慎太郎くん(カレッジ生・喜界高校3年生)

「喜界島での研究の集大成として、今回は初の口頭発表でした。高校生活最後の発表がオンラインになり、ホッとした反面とても悲しかったです。しかし、研究には終わりがなく、これからも研究を続けたいと再確認できた発表でした。たくさんの先生方から質問やコメントをいただけたことをありがたく思います。

体験に勝る学問はない。喜界島でサンゴ研究に挑戦しながら高校生活を送れたのは、僕の人生に大きな影響を与えました。サンゴ礁が創る世界は素晴らしく、これからも関わっていきたいです。」

○ ポスター発表

ポスターセッションではサンゴ研でも研究を行っている北海道大学渡邊研究室の学生3名と九州大山崎研究室の学生1名が発表しました。喜界島で行われている最新の研究成果も発表され、喜界島がサンゴ礁研究の聖地であることを再認識し、今後もさらに研究活動が発展していくことに期待が高まりました。

小・中・高校生によるサンゴ礁研究ポスター発表にてサンゴ塾生5名が「いきものがつくる石」というタイトルで発表しました。今年夏に喜界島にて行われた『KIKAI Collegeフィールドワーク』で分析した結果を、その後のオンライン授業で考察・議論してポスターにまとめました。今回の発表では、全員で協力して一つの発表を行い、聴衆からの質問にはフィールドワークでの経験や感じたことをもとに自分達の意見を説明することができました。ここでもまた次世代のリーダーが成長していることを感じられました。

KIKAI Collegeでは、喜界島・サンゴ礁を舞台に一緒に研究する仲間を募集しています。

詳しくはウェブサイト(https://college.kikaireefs.org)をご覧ください!

○ 自由集会「喜界島サンゴロジー」

サンゴ礁という研究分野の多様性が高いフィールドを有する喜界島にあるサンゴ研は“サンゴロジーを進める拠点となっています。この自由集会は、奄美群島・喜界島を舞台にさらに“サンゴロジーを発展させるための議論の場として、サンゴ研の渡邊理事長・山崎所長・駒越先生がオーガナイザーとなって開催されました。

 

渡邊理事長から重点プロジェクトである「MIRAIプロジェクト」について紹介があった後、北海道大学 西村裕一先生に「サンゴ礁海岸と地震・津波」、鹿児島大学 高宮広土先生に「奄美・沖縄諸島における『島嶼環境』とヒト(Homo sapiens) 」というテーマでそれぞれご講演いただきました。

最後は、質疑応答を中心に『災害や環境にサンゴ礁の上に住むヒトがどう応答してきたか』『自然環境と人間生活・文化の関係がどのように変化してきたか』など幅広いテーマで議論が展開されました。

今後もサンゴ研の重点プロジェクト「MIRAI Project」では、サンゴロジーを発展させ100年後に残すべき価値を考えていきたいです。

 

※こちらの詳細はサンゴ研が発行する学術誌「Coralogy」に掲載される予定です。

○ 日本サンゴ礁学会オンライン企画
 「サンゴ礁の研究室をオンラインで訪ねてみよう!」

日本サンゴ礁学会オンライン企画では「サンゴ礁の研究室をオンラインで訪ねてみよう!」と題して、サンゴ礁で研究を行う先生方が小中高生に向けてご自身の研究や研究室について紹介し、参加者から寄せられた様々な質問に応えました。

回答者として渡邊理事長も参加し、北海道大学の研究室で行っている研究活動や「KIKAI College」「MIRAI Project」について紹介しました。

参加者からはサンゴの寿命や環境の変化への対応について鋭い質問が寄せられていました。時間の都合上取り上げることのできなかった質問への先生方の回答は、ウェブサイト(https://sites.google.com/view/jcrs23)で後日公開される予定です。

皆さん、ぜひご覧ください。

KIKAI College」「MIRAI Project」に関するお問い合わせは喜界島サンゴ礁科学研究所(電話:0997-66-0200)まで!

Peatixへの不正アクセス事象に伴う対応について

 弊所が運営するK I K A Iカレッジ プログラムの申し込みに使用しておりますオンラインサービス「Peatix」において、10月16日から10月17日にかけて第三者による不正アクセスを受け、利用者の個人情報(氏名、メールアドレス、暗号化されたパスワードなど)が引き出されるという事象があったことが発表されました。

 弊所のpeatixページのフォロワーの皆様には、peatixの案内に基づき、メールアドレスの変更、パスワードの変更等のご対応をお願い申し上げます。

 また、クレジットカード情報および金融機関口座情報などの決済に関する情報やイベント参加履歴、参加者の皆さんが記入したアンケートで取得したデータ、住所、電話番号などの情報が引き出された事実は確認されていないとのことです。

 弊所ではPeatixの使用を停止し、弊所ウェブサイトからプログラムのお申し込みをいただけるよう整備して参ります。今後のお申し込み方法等につきましては、ウェブサイトにて改めてご案内をさせていただきます。

 弊所を応援してくださっている皆様にご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

本件に関するPeatixの案内は下記URLから参照ください。
https://announcement.peatix.com/20201117_ja.pdf

2020年11月18日
喜界島サンゴ礁科学研究所

追記:peatixよる本件に関する調査報告とセキュリティ強化実施を受けて、弊所では2021年1月より一部プログラムのpeatixの利用を再開いたしました。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

インターンシップ体験記(硯田 暉)

喜界島サンゴ礁科学研究所では、学生・社会人のインターンシップを受け入れています。あなたも研究所にインターンシップにきてみませんか!

インターンシップ生[profile]

●氏名:硯田暉
●年齢:22歳(インターン当時)
●出身:東京都
●インターン期間:2020年8/11〜9/8
●所属:酪農学園大学 4年
●普段学校でやっていること:環境保全、ボランティア
●所属サークル:バレーボール部

Q.喜界島サンゴ礁科学研究所をインターンシップ先に選んだきっかけは?

大学では湿地について学んでいましたが、就職活動中にサンゴ礁の研究がしたいと思い、研究できる場所がないか調べた結果、サンゴ礁科学研究所を見つけました。

Q.担当した業務を教えてください。

機材を使った水質分析と水槽のメンテナンス作業です。

Q.印象に残っている業務内容を教えてください。

過去の海水のサンプルには水質を変化させないために水銀が使われていたので少し怖かったです。

Q.インターンシップを通してどんな気付きがありましたか?

改めてサンゴや海が好きだということに気づくことができました。
研究にはあまり関係ありませんが、島の人達がとても親切でなじみやすかったです。

Q.今後の目標はなんですか?

今回のインターンシップでサンゴ礁について色々学ぶことができたので、これからもサンゴに関わる仕事に就きたいと思います。

Q.喜界島での休日は何をしましたか?

ハワイビーチではとても綺麗なサンゴやサカナをたくさん見ることができたのでとても印象に残っています。夜は星がとても綺麗で流星群が見れたことも印象に残っています。

Q.喜界島で印象に残ったことは?

ハワイビーチではとても綺麗なサンゴやサカナをたくさん見ることができたのでとても印象に残っています。夜は星がとても綺麗で流星群が見れたことも印象に残っています。

タロウさんが連れて行ってくれたジオツアーがとてもよかったです。仕事の後で疲れていた中でありがとうございました。

研究所のインターンに興味を持っている学生や社会人の皆さんにひとこと。

私がインターンシップに参加していた時は学生だけでなく社会人の方も参加していて色々な人と話し仲良くなることができました。インターンではなく、研究のために来ている学生さんもいましたが、皆サンゴや海が好きだという共通点があったのでとても楽しく過ごすことができました。インターンの時も周りの人たちが積極的に教えてくださるので安心して参加できると思います。サンゴ研究所のインターンに興味を持っている方がいましたら是非参加してみてください。

インターンシップ体験記(宮林 弘美)

喜界島サンゴ礁科学研究所では、学生・社会人のインターンシップを受け入れています。あなたも研究所にインターンシップにきてみませんか!

インターンシップ生[profile]

●氏名:宮林 弘美
●年齢:20歳(インターン当時)
●出身:兵庫県
●インターン期間:2020年8/23〜9/27
●所属:日本大学 生物資源科学部 海洋生物資源科学科 3年
●普段学校でやっていること
友人と大学付近の川でサンプリングをする、サークルのイベント企画
●所属サークル:スキューバダイビングサークル

Q.喜界島サンゴ礁科学研究所をインターンシップ先に選んだきっかけは?

幼少期からの趣味であるスキューバダイビングを通じてサンゴが好きになり、環境保全やサンゴに関わる仕事をしたいと考えるようになった。そんな矢先、研究所の情報を拝見していた際にインターンシップの募集を発見した。私は子供が好きであるため、サイエンスコミュニケーションや研究所が力を入れている環境教育活動に興味があった。また海外在住経験があるため、サイエンス英語の指導補助や教材作りは自分の能力を活かすことができそうと感じたため、実際の現場で挑戦したく応募を決めた。

Q.担当した業務を教えてください。

主に、喜界島サンゴ図鑑100年プロジェクトにおけるサンゴ骨格の写真撮影、KIKAI Collegeフィールドワークの準備・実施・片付け、サンゴ塾(サイエンス英語)の教材作成、蔵書点検、実験室のサンゴ化石サンプルの整理等。

Q.印象に残っている業務内容を教えてください。

・サンゴ図鑑プロジェクトにおけるサンゴ骨格の写真撮影
自分の撮影した骨格が図鑑に載り、その図鑑を手にした人がその写真を見るかもしれないということを考えると、自分のやってきた作業が書籍という形で残ることがとても嬉しい。私はインターンシップとしての参加であったが、研究所への帰属意識が高まった。

・サンゴ塾(サイエンス英語)の教材作成
単元ごとに目的があり、それに沿って教材を作成することが難しかった。インドネシアで、英語でフィールドワークを行うという大きな目標を達成するにあたって必要な知識をどのように教えていくのかを考えさせられた。

・フィールドワーク関連業務
子供も大人も本気で研究を行っていたため、その意欲に応えられるよう準備や補助を行うことができたと感じる。例年のフィールドワークと違って口頭発表の準備期間が短い中で、子供たちが模造紙を完成させたのを見届けることができて達成感があった。それと同時に子供たちの発表は、最終的な目標である「現在から過去を考える」という点までは考えることができなかったため、そこまで補助できなかったことに対しては少し悔しさが残った。フィールドワーク全体としては、自然を科学することや知的好奇心の素晴らしさを学んだ。

Q.インターンシップを通してどんな気付きがありましたか?

まずは、自己分析をすることができたと感じる(物事への考え方や、価値観、行動の癖など)。インターンシップに来るまでは自己分析が上手く進まなかったが、幅広い業務を通して自分が仕事においてどんなことを重要視しているのか、どんなことにワクワクし達成感を感じるのか、以前より理想の将来像がはっきりしたと思う。またより良い物や体験を作り出すために試行錯誤を重ね追求することの楽しさに気がついた。また、その成果をサンゴ塾やイベントなどに還元し人に伝えるこのサンゴ研の仕事にとても魅力を感じた。

Q.今後の目標はなんですか?

人との繋がりの重要さを感じたため、苦手とするコミュニケーション力を高めたい。また、サンゴに関わる仕事に就くために、サンゴに関する知識を深めたい。そのために、学部の卒業研究ではサンゴに関する研究を行いたい。そして、また喜界島に来て研究所の仕事に携わりたい。来年は時間が合えばサンゴの産卵時期に来島しお手伝いをさせて頂けたら嬉しい。

Q.喜界島での休日は何をしましたか?

スキューバダイビングやシュノーケリングなどマリンスポーツを始め、島の観光や、研究所で企画されたイベントの参加、アオサンゴ調査の同行、ラジオの出演など。

Q.喜界島で印象に残ったことは?

・島の成り立ちや歴史
・島の方の、環境を守ることに対する考え方や行動(陸でも海の中でもゴミは気付いたら拾って持ち帰ること、島で起こっている出来事に対して敏感で情報収集をきちんとしていることなど)
・自然の豊かさ
・自然の特徴を理解し、上手い付き合い方をしていること。自然は生態系サービスを提供してくれると同時に時には怖い存在でもあることを誰もが理解していると感じた。台風前の用意周到な準備により、島では台風による死人が出ないことに納得だった。
・島の人の優しさやフレンドリーさが印象的だった。島の魚介類や野菜、果物などを差し入れして下さったり、一緒に家で飲んだりしたことが良い思い出だ。

同じインターンシップ生の仲間や、研究や実習で研究所に来ていた北大生や九大生と一緒に過ごしたことが良い思い出だ。朝研究所に向かう前に家の前の小野津ビーチや少し歩いた先にあるハワイビーチで泳いだり、一緒に自炊したり、飲み会をしたり、語り合ったりする何気ない日常が本当に楽しく貴重な経験となった。また、研究所で企画されたイベントや、オフの日、そして普段の生活でも島の人と関わることができて良かった。

研究所のインターンに興味を持っている学生や社会人の皆さんにひとこと。

このインターンシップでは、科学・環境教育を通じて幅広い業務に関わることができます!また、自分が得意とする分野の能力を活かしさらに伸ばすこともできるインターンシップでもあると思います。私の場合は、英語の教材作成に関わらせて頂いたのですが、思った以上に目的を意識した教材作成が難しく向上心が掻き立てられました!

喜界島は自然、文化、島の人の優しさなど魅力に溢れています!気になる方は、この喜界島でしか体験できない出来事を是非体験しに来て下さい!間違いなく世界観・人生観が変わると思います!

 

インターンシップ体験記(佐々木若菜)

喜界島サンゴ礁科学研究所では、学生・社会人のインターンシップを受け入れています。あなたも研究所にインターンシップにきてみませんか!

インターンシップ生[profile]

●氏名:佐々木若菜
●年齢:20歳(インターン当時)
●出身:東京都
●インターン期間:2020年9/3〜26
●所属:北海道大学理学部化学科 2年
●普段学校でやっていること
化学科の専門科目の基礎を幅広く学んでいます

Q.喜界島サンゴ礁科学研究所をインターンシップ先に選んだきっかけは?

大学の2年前期に受けた、「地球惑星科学概論」という授業で渡邊先生がこのインターンシップを紹介していて、興味を持ちました。

【北海道大学理学院 サンゴ礁地球環境学 渡邊剛研究室はこちら!】

Q.担当した業務を教えてください。

図書室の整備、フィールドワーク運営の補助

Q.印象に残っている業務内容を教えてください。

図書室の本棚を作ったこと!

Q.インターンシップを通してどんな気付きがありましたか?

複数人で一つの業務を進めるときは、当たり前と思っていることも丁寧に共有することが必要だと気が付きました。また、小学生は興味を持ったことだと熱中して自然と豊かな知識を持つということに気がつき圧倒されました。

Q.今後の目標はなんですか?

今後は、今回の経験(フィールドワーク)や学校での勉強を踏まえて、所属する研究室とその先の進路について、考えたいです。

Q.喜界島での休日は何をしましたか?

島内観光、シュノーケリング

Q.喜界島で印象に残ったことは?

プール内の多種多様なサンゴと魚

研究所のインターンに興味を持っている学生や社会人の皆さんにひとこと。

360度美しい海に囲まれた島独特の景色・環境の中で、研究所を通して多様な人と繋がれるこのインターンは、かけがえのない経験になると思います。特に、サンゴや地学の知識に触れることができることと、スーパーな小学生と知り合えるのがこの研究所ならではの魅力だと思います!

インターンシップ体験記(髙田健司)

喜界島サンゴ礁科学研究所では、学生・社会人のインターンシップを受け入れています。あなたも研究所にインターンシップにきてみませんか!

インターンシップ生[profile]

●氏名:髙田健司
●年齢:23歳(インターン当時)
●出身:大分県
●インターン期間:2020年8/23〜9/27
●所属:宮崎大学 農学研究科 農学国際コース 1年
●普段学校でやっていること
サンゴの遺伝子を使って、保全を行う研究
●所属サークル:ダイビングサークル

Q.喜界島サンゴ礁科学研究所をインターンシップ先に選んだきっかけは?

以前から環境保全に興味があり、そのひとつの方法としてサイエンスコミュニケーションが重要なのではないかと考えていた。その時に喜界島サンゴ礁科学研究所のインターンを知り、実際に現場でどのように環境の大切さを一般の方々に伝えているのか気になり、選ぶことにした。

Q.担当した業務を教えてください。

フィールドワークイベントの企画、運営、補助

Q.印象に残っている業務内容を教えてください。

イベント当日が一番印象的でした。2週間という短い間で企画を練って、宣伝をして本当に参加してくれる人がいるのか不安だったが、たくさんの方々が参加して楽しんでくださり企画してよかったと感じた。

Q.インターンシップを通してどんな気付きがありましたか?

環境保全は一人ではできないということ。保全に目を向けるあまり、人と生物の関わりをよくしていくことが重要であると考えていたが、それ以前に環境保全をする人と地元の方々の関わりも重要であることがわかった。

Q.今後の目標はなんですか?

私は、遺伝子を比べることによって、危機的状況にある海域や種を選定するという研究を行っている。サイエンスコミュニケーションという方向から環境保全に携わらせてもらったが、今後は科学的な視点からサンゴ礁の保全に関わる研究を行っていき、間接的にサンゴを守っていきたいと考えている。

Q.喜界島での休日は何をしましたか?

生き物採取、ダイビング、散歩

Q.喜界島で印象に残ったことは?

海の透明度!

研究所のインターンに興味を持っている学生や社会人の皆さんにひとこと。

漠然と環境保全をしたい、自然に関わる活動をしてみたいと思っている方はぜひ、インターンに行って欲しいと思います。滞在している中で何か新しい考えが芽生えて、具体的に何か自分ができることが見えてくるかもしれません。

インターンシップ体験記(ロマスジュニア貴)

喜界島サンゴ礁科学研究所では、学生・社会人のインターンシップを受け入れています。あなたも研究所にインターンシップにきてみませんか!

インターンシップ生[profile]

●氏名:ロマス ジュニア貴
●年齢:23歳(インターン当時)
●インターン期間:2020年9/16〜10/5
●所属:宮崎大学 農学研究科 農学国際コース

Q.担当した業務を教えてください。

自分は保全のメインに今回のインターンに取り組ませていただいたのですが、保全を行うためにどう地域を巻き込んでいくのか、またいかにして同時並行で研究成果を上げ続けるのか、という大きな課題を見つけることができました。

これからは今回発見できた課題の答えに少しでも近づいていけるよう、努力していきたいです。今回、インターンを通して出会えた方々にはとても感謝しています。

Q.印象に残っている業務内容を教えてください。

自分は約3週間インターンでお世話になりました。イベントの企画から実行までやってもらうとのことではじめは自信がありませんでしたが、必要な所は周りの方々が丁寧に教えてくださり安心して取り組むことができました。

ただイベントの企画等をこなすだけだと思っていたのですが、イベントをやるという事が様々な仕事の積み重ねに加えて地域の協力があって初めて実現するものだと実感し、地域の方々にも感謝の気持ちでいっぱいです。